雨の日は積極的になれる気がする②

「弘香ちゃんがうちにくるの久しぶりだね〜。あっ、タオル持ってくるからちょっと待ってて」

「ありがとう」


 玄関で待ってもらい、急いでタオルを取りに行く。


 2人で傘に入って雨を凌ごうと思ったものの、お互い傘から少しはみ出た肩は濡れ、靴は水たまりで濡れてビショビショ。さらに横から降ってくる大雨だったため、結局制服も濡れて……無事だったのは頭くらい。傘さしても無意味なことってあるよね。


「お待たせ。はい、バスタオル。僕はお風呂を沸かしてくるよ。弘香ちゃんが先に入っていいからね」

「旭晴の家なのだから旭晴が先よ」

「ダメダメ。風邪ひいちゃうよ?」

「それは旭晴だって……あっ」

「ん?」


 譲り合いが続くと思いきや弘香ちゃんが何か思いついたような声を出す。


「なら……旭晴も一緒に入ればいい」

「いいや。弘香ちゃんが先——ん?」


 今一緒に入ろうみたいなことを言った?


 いやいや。そんなラノベや漫画みたいなシチュエーションがあるはず。ましてや弘香ちゃんだし。


 弘香ちゃんを見るといつも通りのキリッとした顔。うん、やっぱり僕の聞き間違いだ。


「聞こえなかったからもう一度言ってくれない?」

「旭晴と私が一緒にお風呂に入ればいいじゃない」

「………」


 あれ? さっきより具体的な説明になってない?


「えっとぉ……つまり僕と弘香ちゃんがすっぽんぽんでお風呂に入るってこと?」

「お風呂なのだから裸なのは当たり前じゃない。あ、バスタオルは巻かせてもらうから変態」

「あ、うん。それはご自由に」

  

 むしろ隠された方がエロを感じる。地味に変態と言われた気がする重要なのはそこではない。


「僕とお風呂に入るってことは……マジですか?」

「言葉が変になってるわよ。別に変な意味はないから。ただ待たせている間に風邪でも引かれたら困るだけ」

「人間そんなに早く風邪は引かないと思うけど……。弘香ちゃん熱でもあるの?」

「私が一緒にお風呂に入ろうと言うのがそこまでおかしいかしら。大体小さい頃は入ってたでしょ」

「入ってたけど……」


『ひろかちゃん。僕のがぶらぶらしてるよ〜。ぶーらぶら、ぶーらぶら〜』

『あさはる、きたない』


 うわー、こんな時に限ってしょうもない方を思い出す……。


「とにかく早く入りましょ。お姉さんが入ってくる前に」

「それもそうだね」

 

 姉を出されちゃ頷くしかない。ねーちゃんが帰ってくる前に早く済ませないと絶対めんどくさいことになる……。




 お互い大切な部分を隠すためバスタオルを巻いて浴室へ。


「じゃあ髪を洗うから目を瞑っててね」

「ええ。旭晴に洗ってもらうの久しぶりね。しっかり洗ってね」

「仰せのままに」


『髪を洗って欲しいの』


 弘香ちゃんから服を脱ぐ前に言われ、特にツッコむことなくもう受け入れてた。


 シャワーからぬるま湯を出す。軽く髪を濡らしてから弘香ちゃんにシャンプーを始める。

 

 ゴシゴシ……


「ん、気持ちぃ……」

「そりゃ良かった。散髪屋さんで髪を洗ってもらうの気持ちいよね。癖になって髪切る時に毎回頼んでしまう」

「分かるわ」


 ジャンプー&マッサージのasmrまであるからみんな好きだよね。


 最初はゴシゴシとしっかり洗う。次に頭皮をマッサージするように髪を撫でまわす。


「このくらいで……。お湯かけるから目を瞑って」

「ん……」


 今度はお湯を出して、ゆっくりと髪の毛の先端まで指を通していき泡を落とす。


「はい、綺麗になったよ」

「ありがとう」


 さて……僕の役目も終わりだ。身体はさすがに自分で洗うよね。おっぱいがあるもんね。おっぱいを僕が洗うなんてこと……


「じゃあ次は身体ね」

「………」


 乳ワールド突乳とつにゅう




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る