【中学編】揉めるまな板VS巨乳ランキング1位
——遡ること、中学3年
「なぁ、最近西堂さん……良くね?」
「良くねって、何がだよっ」
男子生徒2人が、門をくぐり登校してきた弘香を遠くから眺め、話していた。
「なんか色気が出たというか……」
「なんだそりゃ。まあ西堂さんは美人だけど」
「そうなんだけど、なんか……」
「なんか?」
「いつもと違うところがあるから色気があるような気がする……」
「いつもと違う?」
2人はが弘香の身体を上から見ていく。
綺麗な髪、目鼻立ちがハッキリした顔。そして胸……。胸は……何もない。
「んー、やっぱり気のせいかもしれない」
「なんだそりゃ」
「……ッ」
弘香が眉間にシワを寄せた。
男たちがびびる。
「うわ、なんか怒ってるぞ……」
「まさか俺たちの会話が聞こえたとか……」
「こんなに離れているんだからないだろ。それにしても西堂さんは美人だけどちょっと怖いんだよなぁ。もう少し愛想と胸があればなぁ……」
「ああ。やはり俺たちには橋本さんしかいない……」
◆
「今朝、よからぬ視線を感じたわ」
「ほえー」
教室に入るなり、不機嫌そうに僕の席にきた弘香ちゃん。中学3年生になった僕らだけど、クラスはまた一緒だ。
「全く……勝手に胸を見て判断するなんて失礼だと思わない?」
「そんなこと言ったら僕のはどうなるのさ」
「旭晴はもはやなんとも思ってないわ。この、まな板ランキング変態さん」
「変態って思ってるじゃん!」
弘香ちゃんの胸を揉んで一年が経ってしまったが、現在進行形で続いている。初日はまな板は揉めないと言ったが、揉むうちに成果なのか、成長期なのから分からないが、段々と揉めるようになってきた。揉めるまな板に成長した。胸はサラシを巻いて成長したことを隠している。
でも無事、大きくなりそうで良かった。まな板のままだったら僕がどうなっていたか……。
「……橋本さんだ」
誰か男子が呟き、教室に入ってきた女子生徒にみんなの視線がいく。
僕も釣られていく。
ショートカットに目がクリッとしてていかにも学園のアイドルって感じの美少女。
「おはようみんな」
彼女がにこやかに挨拶すれば、
「お、おうおうおはよう橋本さん!」
「橋本さんおはよう、今日も可愛いです!」
「橋本さん机綺麗にしておきました!」
大量の挨拶返しと彼女の周りに人が集まる。これがマドンナの朝。すごーい。
橋本さんはひとりひとり笑顔を向けながら自分の席へと向かう。彼女の席は僕の2つ前。
「楓くんおはよう」
「おはよう橋本さん」
「西堂さんも」
「ええ。おはよう」
わざわざ僕らにも挨拶してくれた。さすがマドンナだね。
ふと、橋本さんと弘香ちゃんが見つめ合ったままなのに気づいた。
「どうしたの2人とも?」
「いえ。何でもないですよ」
「何でもないわよ」
なんでもないならなんでもないね。
橋本さんは友達のところへ行くかと思いきや何故か僕の席にきた。
「楓くん」
「ん? なに」
「今度の調理実習私と班を組まない?」
「え?」
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