巨乳は揉めるが弱い
【旭晴私の部屋に来て。今すぐ】
夜。お風呂に入ってからごろごろしていると、弘香ちゃんから呼び出しのメッセージが。
昼間の日菜子ちゃんの件が平和に収まったと思ったら……あれこれ、平和なまま終わらないやつ?
弘香ちゃんから呼び出しのメッセージ。これは行かなければ翌日に響く。
しかし、この時間帯に弘香ちゃんの家に行くとなると両親はともかく、ねーちゃんがついてきかねない。……あの人は暇さあれば胸ばかり揉むからなぁ。
「これはアレで行くしかないか」
僕はカーテンを開け、バルコニーに出る。自室は2階にあり、向かい側には弘香ちゃんの自室がある。
僕は気を払いながら手すり部分に足をかけ、
「いっーせーのっ、よっと!!」
飛び越えた。
距離も近いこともあり、弘香ちゃんの家のバルコニーに着地成功。
窓をノックすると、弘香ちゃんが窓の鍵を開けて中に入れてくれた。
「いらっしゃい」
「お邪魔しまーす。久しぶりにこの入り方したよ」
「中学の頃は毎日してたんだから身体は鈍ってないでしょ」
「まあね」
そして僕は久々にきた弘香ちゃんの部屋を見渡す。
本棚は綺麗に整頓されており、お洒落なアンティークが揃えられている反面、ぬいぐるみなども置いている実に女の子らしい部屋だ。
「それで、なんの呼び出し?」
わざわざ呼び出したってことは重大なことに違いな——
「旭晴。私の胸を揉んで」
「え、なんで?」
確かに重大なことだけど。弘香ちゃんはもう立派な巨乳になったし僕が揉む必要なんて……。
「いいから」
「あ、はい」
反射的に返事をしてしまった。
言葉を挟もうとしたが、部屋着を脱ぎ始めたので僕は後ろを向いて待機。
しばらくすると声が掛かったので、振り返ると、弘香ちゃんが胸の部分を手で押さえていた。
「おお、ブラジャーなんだね」
「当たり前よ。サラシじゃ収まらないわ」
言葉に成長を感じる……!
胸を押さえる両手を下ろすと、重圧に負け、ぽよんと胸が揺れた。
「おぉ……」
思わず感嘆の声をあげてしまった。
「ねえ、私のおっぱいでも興奮したりするの?」
じっと目を見つめてくる。
「そうだよ」
今さら隠し立てしても仕方ない。それにおっぱいが好きで悪いことは何もない。
弘香ちゃんは「そう……」と一言つき、あぐらをかいていた僕の上に座った。いつものポジションだね。
「じゃあ……揉むよ?」
「ええ」
ブラは若干サイズがあっていないのか、上から見るとはみ出して見える。
成長だ………。
持ち上げるように触れる。そして手のひらに力を入れて揉む。ブラジャー越しでも胸の感覚が柔らかいのが伝わる……。
「ん、ん……」
弘香ちゃんから微かな声が聞こえる。
僕は構わず続ける。
胸は揉むたびに、むにゅうっと形を変える。柔らかい乳房の感触が手全体に広がる。
「あっ、んっ……」
くすぐったいから声が漏れるんだよね。でも声を出さないように我慢しようとしているのも昔から変わらない……。
「んっ……ふぅ……」
徐々に頬も赤くなってきた。
そしてなんだが、男の本能を刺激する甘い匂いが漂ってくるような……。
「ぁ……っ………」
……あれ? 弘香ちゃんって胸揉む時ってこんなエロかったけ……? あれ、あれ〜〜??
僕は手を止めた。
「ん……旭晴?」
「弘香ちゃん。今日はここまでにしない……?」
「なぜ?」
なぜと言われましても、股間の方が穏やかになれない気がして。
なんてことは言えるはずもなく。
「明日も電車早いし、今日はちょっと疲れちゃってさ」
「………」
弘香ちゃんが僕の顔をじーっと見上げる。
「……そうね」
立ち上がって服を着始めた。
となると呼び出した用事は終わりかな? なんでいきなり胸を揉め言ったんだろう。
確かな理由が分からないが、聞かない方が良さそうだよね。
僕は自室に帰ろうと窓を開けた。
「旭晴」
「ん?」
「明日は一緒に帰れるわよね」
背中を向けているから弘香ちゃんの表情はわからないと、声に微かな不安を感じる。
「弘香ちゃんが用事がなければ。僕はいつでも暇してるから」
僕はそう言い残し部屋を去った。
◆
(弘香side)
旭晴が自室に入るのを見てカーテンを閉める。
放課後は、生徒会の勧誘にしつこく付き纏われて旭晴と帰ることができなかった。生徒だけならまだしも、先生まできたので振り切るのに時間が掛かったのだ。
「全く……本人が嫌って言っているのだから意見は変わらないのに……」
キッパリ断り、駅近くの広場まで歩いてきた。
昼前に学校が終わったこともあり、お腹が空いてきた。旭晴は先には家に帰っただろう。まだ昼食を取っていないのなら、一緒にご飯を食べに行きたいけど……。
LINEで聞こうと思った時だった。
「日菜子ちゃんまたね〜」
馴染みのある声が耳に入ってきた。視線の先には、旭晴と……日菜子。
日菜子は、可愛らしい見た目で胸は……彼女を見ていると昔の自分を思い出す。
ファミレスから出てきたってことは、2人で昼食を取っていたのね。
2人で………見ない間に随分と仲良くなっていたのね。
別に私は旭晴の幼馴染だ。彼が誰とどこにいようと口出しする権利はない。
でも……旭晴が遠のいていく気がして……ちょっと怖かった。
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