ロリと幼馴染とおっぱいと
場所は変わり、ファミレス。
昼に学校が終わったこともあり、お腹が空いたということと、立ち話もなんだしということでファミレスに訪れていた。
「ごくごく……ふぅ……」
冷えた水がこれほど進むのは初めてだ。
(今日は喉が乾くなぁ……ほんと、喉がよく乾くな……あー……)
何度も水を注ぎ、飲む。おかげでお腹が水でたぷたぷである。
「………」
「………」
そしてお互い何も会話をしない状態が続いていた。
というか、日菜子ちゃんはメニューを見ていて……メニューで顔が隠れていた。
そう思ったのもつかの間、日菜子ちゃんがメニュー表をパタンと閉じた。
「旭晴さん」
「ひゃい!」
早速聞くんですか! もう少し言い訳のお時間を……!!
「わたしは選んだのでメニューをどうぞ」
「え……あ、ありがとう……」
メニューを受け取る。
てっきり胸のことを聞かれると思っていたので拍子抜けしてしまった。
最後の晩餐になるかも知れないし、いっぱい食べよう。
◆
「美味しかったですね」
「ひと仕事した後だし、より美味しく感じるよ」
食後。ドリンクバーで注いできたドリンクを飲みながら会話を交わす。
「ここの辛味チキン。好きなんですよね〜」
「分かる。ピリ辛で美味しいよね。僕はやっぱり……定番のドリアかな」
「モッツァレラチーズ入れるとより美味しいですよね」
「分かる〜〜」
などど、感想を言い合う。うふふ、あはは、と笑いが漏れる。
後は会計だけだし……よーし、このまま楽しい感じで終わって——
「それでは旭晴さん」
「んー?」
「先ほどの続きを聞かせてもらってもいいですか?」
「………」
急にくるの、怖いよ。
「先ほどとは?」
「胸は揉めば成長するって、実証済み……」
「………」
また復唱されてしまった。よく覚えてますね……。
すると、日菜子ちゃんが前屈みに乗り出し、顔を近づけてきた。
何っ!? 写真でも取るの!? 乳ュースやらに取り上げられるの!?
怖すぎてぎゅっと目を瞑っていると……
「胸は揉んだら大きくなるんですか……!」
「へ……?」
予想外の言葉に思わずとぼけた声が出てしまった。
「実証済みってことは大きくなられた方がいるんですよね! ぜひ教えてください! わたしも貧乳から成長したいです!」
ぐいぐいくと迫ってくる。僕は唖然と見つめるだけ。
……なんか、日菜子ちゃんはこういう子だったという謎の納得が生まれた。
「旭晴さん?」
「あ、えと……」
「ちなみどなたのお胸が大きくなったのですか!」
その質問が割と一番アウトなんですよ! しかし、ここで答えないと余計怪しまれてしまう……。
僕は覚悟を決めて口を開く。
「その……僕には幼馴染がいてね? 彼女がうちに家に遊びに行きた時、ねーちゃ……僕の姉がよく胸を揉んでいて……。それが理由かはわからないけど今は大きいってわけ」
嘘はついていない。
弘香ちゃんがうちにくるたびに高確率でねーちゃんは胸を揉んでるし、それで大きくなった可能性もある。
嘘はついていない。だがらいいよね!
念のため、弘香ちゃんの名前は伏せといた。
「そうなのですか! なるほどです! いつかその幼馴染さんにお会いしてインタビューしたいですっ。あと失礼じゃなかったらお胸をお触りして……」
それならもうしてるよ。ガッツリ揉んで、質問して、困らせていたよ。そう、あの時の弘香ちゃんがその当本人なんです。
「僕からの情報はこれで終わり。もう聞いてもなにも出ないよ」
「分かってますよ。旭晴さんは男性なのですから、女性のバストアップに協力したり……なんて、よっぽどの仲じゃないとできませんからね」
「………ソダネー」
これが世間の常識というものだよ。中学時代、1日10分、幼馴染のまな板を揉んでました、なんて言えないよね……。
「教えていただきありがとうございました!」
「う、うん……」
いい感じに誤魔化せたけど、モヤモヤが残るね、これ。
こうして、平和な感じで日菜子ちゃんとの時間は終わったのであった。
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