(33) 最後に言うから

見上げた空の隙間から 

今にも雨が降りそうで

あなたの姿 探してみたけど

はぐれた枯れ葉が落ちるだけ


頬杖ついた昨日の夜は

窓辺にもたれて ただひとり

あなたの帰りを待っていた


ずるい男(ひと)ね あなた

「仕事が入って行けない」なんて

お決まりの嘘 繰り返す


「愛しているよ」と最後に言うから

心が乱れてしまうのよ


途切れ途切れの風の音

「ばかね」と言っているようで

重たいため息 飛ばしてみたけど

青白い月が笑うだけ


枕を濡らした 明け方の夢

遠くに消える影 ひとつ

愛しい名前を呼んでいた


罪な男(ひと)ね あなた

「おまえが1番 綺麗だ」なんて

優しい嘘をささやくの


「待たせてごめん」と最後に言うから

別れを迷ってしまうのよ


「愛しているよ」と最後に言うから

心が乱れてしまうのよ



(メモ)

わぎゅうさん

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