(34) 君への嘘

(1)

君の気持ちを受け止めていたなら    

僕らは今頃微笑んでいただろう     


色を失くした空見上げながら      

小さくなる足音を背中で聞いた      

     

君に告白するとあいつの口から      

さっき聞いたばかりさ                  


タイミングが悪すぎて言葉が見つからないよ

こんな時に君から告白されるなんて

           

最初で最後の君への嘘

本当は好きだと伝えたかった

うつむいた足元雨が落ちてきた




(2)

君に逢えない無防備な街角

心の微熱を持て余し立ち止まる


揺れた瞳の奥 泣いていたね

途切れがちに「さよなら」と小声で言った


たぶん今頃 君の涙をあいつが

そっとぬぐっているはず


タイミングが悪すぎて自分を恨んでしまう

もっと早く君に告白していたなら      


最初で最後の君への嘘

本当は好きだと伝えたかった

頬たたく冷たい雨が終わらない


最初で最後の君への嘘

本当は好きだと伝えたかった

頬たたく冷たい雨が終わらない


。。。雨が終わらない


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る