第10話 目覚め

ホテルに入り、清潔なベッドの上でお酒を乾杯した。

するとAさんはキスをしてきた。何度も何度も確かめるようにキスをしてわかった。Aさんはキスが上手だ。


「気づいているかわからないけど、顔真っ赤だよ」

彼が言ってきた。私は自分の内側が熱くなって耳がヒリヒリと熱を帯びていることがわかった。


「この服、どうやって脱がすの?」

そう言ってAさんは私のワンピースのチャックをおろし、みるみる裸にした。

「電気消さないんですか?」

「消すわけないじゃん」

Aさんの前戯はとても丁寧だった。「ここが気持ちいい?」と一つひとつ確認して、緩急をつけて胸をもみしごいていった。


「胸、大きいんだね」

そう言って嬉しそうな顔をしてくれたので、私は照れて

「よく言われます」

と言った。

強がっていることが気に障ったのか、Aさんの手は私の下に伸びていった。

指が中に入り、マッサージのように気持ちいいところをピンポイントで押していった。まるでミミズが這うような柔らかくねちっこい攻撃についつい身がよだつ。


彼と一つになったとき、今までに感じたことがないような気持ちよさが押し寄せた。

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