第4話 それでも俺は
KYの本拠地
「3人相手でも軽々とやられたか」
「はい。しかも全員全てワンパンされています。」
「ワンパン?それはかなりの化け物だな」
「今その3人の状況は?」
「3人とも重症です。」
「ならばこちらも武術の達人を用意しようか。1人最強の刺客を送り込もう」
「おはよう」
「おはよう」
今朝も彼が迎えに来てくれた。今学校では体育祭の練習が行われている。今日の4時間目に出る種目が決まった。
全部で3団あり、赤団、青団、黄団がある。
美奈は赤団、遥は青団である。
私は100m走と団対抗リレーに出ることになった。
遥は100m走と代表リレーに出ることになっている。
練習は基本的に同じ流れで、開会式から競技の初めの部分をして閉会式までが一連の流れだ。それを何日も連続で行うので、みんなやる気がどんどん削がれていく。
ようやく当日になった。
「今日は敵だね」
「あぁ負けないぞ」
そう言うとそれぞれ団のところに戻った。負けたくない相手(好きな人)がいるとやる気が出てきた。
「よし!やるぞ!」
開会式が終わり早速競技が始まった。借り物競争、障害物競走、騎馬戦が終わり赤団が優勢だ。
私の競技はお昼休憩が終わったあとで、遥の競技は締めの競技だ。
お昼は遥と過ごすことにしている。
「遥〜こっちこっち」
「おーおつかれ」
お昼ご飯を2人で食べた後集合時間にまた集まった。
昼休み後すぐに100m走の入場が始まった。
私は3走目だ。2走目の人が走り始めた瞬間、緊張で体が強ばってきた。遂に自分の番がきた。
「位置についてよーいドン」
スタートが少し遅れてしまった。
ただ私は足に少し自信がある。50m走が7.9秒と女子にしては早い方だ。結果としては2位だった。
次は俺の入場の番だ。代表リレーに選ばれた俺は落ち着いていた。こんなの普段の仕事と比べたらお遊びにもならない。適度に力を抜いて接戦を演じなければ、俺はアンカーだ。
「位置についてよーいドン」
スタートし順調にバトンを運んでいく。そろそろアンカーだ。俺たちの青団は3着と最下位で持ってきた。ただ全く追いつけない程の距離ではない。バトンを受け取るとすぐに1人目を抜いた後2人目を抜きちゃんと1位を取れた。
かっこいい姿を見せれたつもりだが美奈が駆け寄ってくれない。
「そういえばこの競技の間は美奈は1人だ」
それからグラウンドと体育館に行き美奈を探すが見当たらない。
(嫌な予感がする)
すぐに殺し屋本部に連絡を取る。
「誘拐…それは本当か?」
「間違いない」
ブチッツーツー
「すぐに追わなきゃ」
遥は学校を抜け出しすぐに後を追った。しかし助けに行けば俺の正体がバレてしまう。もう彼女の隣には居られないだろうな。
「”それでも”彼女だけは守る」
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