第2話 彼の謎

学校に登校する時は玄関先に迎えに来てくれるようになった。本当に幸せだ。2人で学校に登校し、2人で帰るようになった。


そんなある日。

明日の夏祭りに行かないかと誘われたので、喜んで承諾した。


夏祭りの日になると気合いを入れて浴衣を着た。これまで浴衣を着たことなかったのでとても難しかった。しかし彼のためだと思うとなんのことではなかった。


集合時間より30分も前に着いてしまった。すると彼はもう着いていた。


「ぉーぃ」


つい声が小さくなった。なぜなら彼はとても怖そうな男の人3人に囲まれている。

これは警察を呼ぶべきだろうかとうろたえていると、悲鳴が聞こえた。もしや遥がやられたのかもしれない。こっそり覗くと、倒れているのはその3人だった。


(え?どういうこと?)


美奈はとても混乱していた。彼が勝ったの?するとすぐにメールが来た。


「ごめん。集合場所を現地集合に出来ないかな?」

「うんいいよ。いまから家出るね」


見ていたことがバレないようにゆっくりと行く。


(どんな顔して会えばいいの?)


美奈はもう夏祭りどころではなくなっていた。集合場所に着くと、彼はいつもの優しい笑顔で迎えてくれた。やはり好きな人の笑顔を見るとどうでも良くなってきた。夏祭りを楽しむことにした。


花火を見ると考え事を吹き飛ばすほど圧巻だった。ただひたすら綺麗で言葉を失った。するとは花火が打ち上がる瞬間に彼が何かを言った。ただ彼が何を言ったか花火の音で聞こえなかった。


花火が終わると

「そろそろ遅いし、帰ろうか。」

「うんそうだね。」


そう言うと解散をした。楽しかったが、心にモヤモヤが残った。

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