それでも愛せるか

永峰美海

第1話 幸せの始まり

「付き合ってください」


「はい。喜んで」


ついに好きな人と付き合うことが出来た。小学校高学年から思い続けて、高校2年生になって結ばれた。


その日の夜はテンションが高く、夕食、お風呂をすぐに済ませ。スマホの前に座った。L1NEを交換してもらったのでL1NEメッセージを送りたいのである。


(今日はありがとう。これからもよろしくね)


そう送ろうとしたが恥ずかしくて消してしまった。

するとスマホに着信音が鳴った。彼氏から電話がかかってきたのだ。


「いきなり電話?」

恥ずかしい気持ちも反面やはり嬉しかった。


「もしもし。美奈?」

「もしもし。遥。どうしたの?」


「今日のことが嬉しくて電話かけてきてしまった。こんな可愛い子が俺なんかと付き合ってくれるなんて」

「いやいや。こっちのセリフだよ」


まだまだぎこちなかったがこの時間が幸せだった。

次の日が学校が休みということもあり、2人は夜遅くまで電話を続けた。


「もしよければ明日映画を見に行かない?」

「うん。行きたい。」

「じゃあ明日の15時に時大公園前集合で大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ。」

「わかった。財布は持ってこなくていいよ。全部奢るから。」

「そんな悪いよ。」

「いいから。初デートくらいカッコつけさせてくれ。」


そう言われると断る勇気が出ない。結局奢ってもらうことになったが、念の為自分でも財布を持っていった。


映画は"天気の子"を見た。話題作なだけあってとても面白かった。また彼の隣で見れるということが1番の幸せだった。その日は現地解散をした。


この時は特に違和感を覚えることはなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る