第10話 新たな事実
開会式が終わると俺は直ぐに担任の先生の元へ向かった。事前に体育祭を止めてもらおうとしたのだ。ただ現実はそう上手くは行かない。
「何かのおふざけかな?」
そう先生は言ってくるが俺は真面目な顔をして返事する。
「いや、本気です。このままじゃ2人死にます」
その言葉を聞いた瞬間担任の先生の目の色が変わった。
「2人亡くなる?」
先生は何かを思い出しているような状態だった。するとすぐさま顔を上げこう言った。
「私も•••過去にそういうことがあ••った」
「それはどういう意味ですか」
すると先生はゆっくり語り出した。
「私もここの卒業生なんだ。私が入学して卒業するまでにちょうど20人亡くなった。結局犯人も原因も私は本気で調べたが一切わからなかった。」
その20年前の出来事と今起きている出来事が同じということはここにいる誰もが気づいただろう
「それを俺たちが止めようと思っているんです。」
そう言うと後ろから巳之助が顔を出してこう言った。
「おそらく1つの家系の仕業だな。先生の年齢も俺たちの親の年齢と同じくらいで同じ手段で同じ人数そう考えるのが妥当だ。」
「君たちなら何かを変えてくれるような気がするよ。」
先生はそう期待の目をしているように見えた。
そうは言ったものの担任の先生1人では体育祭を中止には持っていけないようだった。
なので俺は校長先生に話しに行ったがここ数年でこの学校に来たらしくそのような話は聞いた事がないらしい。どうやらこの学校内での秘密になっているのだろう。
校長先生は信じてくれないので体育祭を止めるのは難しい。
そうやっているうちに第一競技が始まった。結果は前回見たものとは少し違う。やはり歴史は全く同じにはなっていないようだ。
アメリカの作家のマーク•トウェインが言った「歴史は繰り返さないが、韻は踏む」この言葉を今実感できた。
歴史は繰り返さない。それは俺が関係していなくてもだ。ただターゲットは変わらない、なぜなら犯人はある1つの共通点を元に殺害しているからだ。それは”そのイベントごとの主役的立ち位置の女性である”
今のところ全て当てはまっているが1つ気がかりがある。それは俺たちの親友が亡くなっていることだ。それは特に特徴というものがなく男である。もしや事件とは関係がないのかもしれない。
俺は無難に100m走と玉入れを終わらせて事件の謎に集中することにした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます