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空。
雪。
何かが、光った。そんな気がする。
「あ」
ヒール。
邪魔だったので、脱いだ。
光ってる。
走り出した。
あの光は。
知っている。
その姿。
覚えている。
「あっごめんなさい」
撮影陣の何百万もするカメラの上を、飛び越える。
「あっはだし寒い」
でもヒールは走りにくい。仕方ない取捨選択だから。
彼のもとへ。
えっ。
けっこう高いところから落ちてきてない?
走った。
だめ。
間に合わない。
目の前で。
彼が落ちてきて。
ぐちゃっ、という音だけ。
あとは、静かだった。
雪って、降る音がしないんだっ、て。そのとき。なんとなく。思った。
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