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「ここらで」


 終わりか。

 十分、やるべきことはやった。後は、街の誰かが、なんとかするだろう。

 もう、通信は聴こえない。だから、戻る方法も、帰る道筋も。何もかも、ない。


 街を守りたかった。

 それだけだった。


 その結果として。

 単純明快な代償として。

 自分の命が、尽きようとしている。


 ここはどこかも、もう、分からない。現実ではない、幻想的な、どこか。ここで自分がしんでも。それは、しんだと言えるのだろうか。


 彼女のことは。

 考えなかった。

 彼女って誰だ。

 分からない。


 ただ、ようやく。

 なんとなく望んだ、しが、目の前にある。

 少しだけ、肌寒かった。

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