「嫌です!絶っっっっ対に離しません!」
昼食後。オレはハンター(鮎川)と吉谷とともに会社に戻り、報告書を提出、他様々な業務を終えて、吉谷の歓迎会会場に向かった。
会社から歩いて数分の、路地に入ったところにある少々狭い居酒屋。いい感じに木材が古びたところや昭和感漂うポスターや置物がオレのお気に入り。部署で飲む時は毎回ここだ。
ハンターは早々に会社を出て、他のメンバーとともに飲み始めていた。オレと現れた吉谷を見つけると、「いっく〜ん♡みらい、ちょー待ってたんだからね♡」と座敷から靴も履かずに吉谷へと飛んできた。
「わ、ちょ、あゆゆさん?!酔ってます?!
師匠助けてくださいよ〜(泣)」
ハンターに抱きつかれながら涙目で助けを求める吉谷に少しばかり憐憫な感情が。
「あゆゆが吉谷のことがそんなにも好きだってことは知ってる。けどここではやめなさい。人目もあるし、社会人としてみっともないわ」オレは先輩としてハンターを諫め、吉谷から引き剥がしにかかる。
「…さす、が、俺、の、ゆう、ち、ん」
「だから、その呼び名、嫌って言ったでしょ!」
「嫌です!絶っっっっ対に離しません!」
三者三様其々が踠きながらも何とか引き剥がしに成功した。
「はぁ、はぁ、はぁ……ありがとうございます、師匠…、あの締め付け感はすごく良かったです///」
「うぇーーーん!センパイにパワハラされましたーーー!」
突如マゾ発言を始める吉谷に、出鱈目を口走るハンター、そしてこの文面上では察せられなかったであろう無関心を決め込む可愛かった部下たち5名。
オレ、もう帰っていい?
普段より女言葉使いすぎて疲れたし。
…あ、いや待て、とりあえずハイボールと焼き鳥を頼もう。ここのは格別に美味いから。
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