第8話 おかるとぶ

太郎は言われるがままにオカルト部の部室に来た。

太郎はそこで目を疑った。


「これは?」


なぜならそこは怪しい機会がたくさんあった。


「ようこそオカルト研究部へ!」


麻琴が楽しそうに笑う。


「オカルトって幽霊とかじゃなかったの?」


「幽霊もオカルトだね。

 でも……UFOもオカルトだ!」


ぽっちゃりメガネの先輩が声をかけてきた。


「そ、そうですね」


太郎は一歩下がる。


「逃げるな前を進め!」


イケメンの先輩がそう言って小さく笑う。


「つまり科学は強い」


ぽっちゃりメガネの先輩がそう言うと痩せている先輩が言う。


「いや、意味がわからんだろ。

 で、麻琴。その子は?」


すると麻琴が元気良く言う。


「影無太郎君。入部してもいいって言うからつれてきた」


「おおう、それは失礼をしたね」


ぽっちゃりメガネの先輩が自己紹介を始めた。


「僕はオカルト部部長。

 ぽっちゃり担当の伊吹いぶきおうだよ!

 よろしくね」


そして続いてイケメンの先輩が自己紹介を始める。


「俺は、オカルト部副部長産屋敷うぶやしき たく

 ゆるく元気によろしくな!」


さらに続いて痩せ型の先輩がギター片手に言葉を続ける。


「俺は江坂 分雨ぶう

 オカルト部なのにギター持ってて不思議だろうが家は弦楽器屋なんでな。

 こうして弦楽器の修理をしているんだ。

 バイトのようなものさ」


「あ、バイトだったのですか……

 えっと、僕は影無 太郎です。

 なにもできないです。

 よろしくおねがいします」


「なにもできないのか……」


「お?健士君登場かい?」


部屋の奥でオイルまみれになっている少年が顔を出す。


「えっと……」


太郎は首をかしげる。


「俺は斎藤 健士けんしだ。

 悪い先輩だから噛みつかれるなよ!」


「えー、それ自分で言う??」


麻琴は少し楽しそうに言った。


「俺はクールでエレガントになりたいのさ」


健士は、そう言ったあと奥でうずくまっている女子に声をかける。


「……どうした?華織」


「おにぎりぱんの評判が悪いのです。

 カリッとしたパンの中におにぎりがあって。

 更にその中には昆布バージョン、梅バージョン、鮭バージョンが合って……

 どれが当たるかはお楽しみ。

 なのに評判が悪い。子供受けしやすいように。

 おにぎりぱんとひらがなにしたのに!」


おとなしそうな女の子が熱くパンのことを語る。


「華織ちゃんの家はパン屋さんなんだよ」


麻琴がそう言って教えてくれた。

地味な部だと思っていたが……

賑やかな部だと太郎は思った。

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