第4話 猫灯

夜、田んぼの近くを帰る途中。


暗ーくて嫌だなーと思いながら道に沿って歩いていました。


ゲーコ、ゲーコと蛙の鳴く声が聞こえます。


リロリロリロと鳴くスズムシの声にギーチョンと鳴くキリギリスの声。


それに可愛らしいニャーと鳴く猫の声も…


ってここにもいた!


猫の声が聞こえた所を振り向くと声の場所に何処かモダンなガス灯が立っていました。


猫?なのかな?


声はガス灯から聞こえます。


良く見るとガス灯には猫耳が付いていて、尻尾まで生やしています。


猫でした。


ガス灯型の猫…いや、猫灯…猫もここまで進化したのか…


猫の進化に思いをはせているとおっきな蛾が光につられて猫灯に向かっていきます。


猫灯は蛾を捕まえようと体をブンブン左右に振りますが、手のない猫灯は捕まえられません。


捕まえられなかった事を悔しがったのか尻尾をツンとさせて、耳をピコピコし、最初っから体を左右に振って伸びをしただけだと誤魔化してきました。


でも何となく悔しいのか灯りを明滅させています。


何だかその様子が可笑しくてクスっと笑ってしまいました。



夜の帰り道も何だか楽しめそうです。







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