第15話 女子会、作戦会議。

__「ちょっと外で話そう。」


「なんで圭は倒れたの?あなたが散々連れ回して無理させたから?」


「そ、そんな私はただ圭くんと一緒に文化祭を楽しみたくて...それで...」

確かに彼女の言うとおりだ。自分ばっかり浮かれていて彼の異変に気づけなかった。言い返す言葉もない。

「そもそも圭はね_」

そこまで言って気がついてしまう。これは私の口から言うべき事実では無い。


「これは...ううん。あなたに言っても仕方がないよね。とにかく圭のことあなたには任せられないから。」


言うだけ言って私は踵を返す。もう彼女と関わることはないだろう...と思っていたのだが。


_________


「あっ、葵さん。隣いいですか?空いてる席がなくて。」


そう声をかけられ辺りを見回す。確かに空いてる席は無い。何せここは超が着くほどの人気店、スイーツ好きなら死ぬまでに1度は行きたい名店なのだから。


「...いいよ、これだけお客さんいたらしょうがないし。」

渋々と承諾をした。病院で会った以来だ、気まずい。


「あの、葵さん。私、圭くんのことが好きなんです!?」


なんて唐突に言ってくるものだから私は思いっきり

むせた。最早モンブランどころではない。


「それは何となく分かってるから、にしても唐突ね。」


「葵さんは私の事嫌いかもしれないですけど、それでも私は彼が好きです。」


「いや別にあなたのこと嫌いって訳ではないんだけど...」

自分の数々の言動を振り返ってみる。あたりがキツかったのは少々、いや大分ある...。


「正直私はあなたが羨ましい。だからヤケになってあなたにキツくあたってたんだと思う。」


「...?私は葵さんの方が羨ましいですけど...。いつも圭くんと一緒で楽しそうです。」


「そう。ありがとう?じゃなくて圭のことどうやって落とすの?」


『ちゃんと恋愛をして』圭にそう言った以上私にも責任はある。ここで投げ出すわけにはいかない。


「それについては夏休みにうちの別荘に招待しよう...とかは考えてはいます。ですが...」


「おーそれいいじゃない!でもあんまり乗り気じゃない...?何か問題でもあるの?」


「その、私今までお友達を招待して遊ぶという経験がなくて、どのようにもてなすべきか分からないんです。」


これは自慢なのか何なのか。流石はいいとこのお嬢様っていう悩みね。


「あーなるほどね。それならいい考えがあるわ!」


「___。」

私は思いついたことを早速渚ちゃんに伝える。


「..?!なるほど、そういう感じでいけばよろしいんですね!!葵さん、ありがとうございます!」


かくして病院で話した時には考えもしなかった展開になってしまった...と思いつつ、彼女が圭を落とす為の作戦会議もとい女子会をしたのだった。





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