決戦、ヨシラワ!
「うむ、天晴れである。褒めて使わすぞ」
ゴゴゴゴゴ…!結界が解けていく!
結界を全て破った!ベンダマンをやっつけた!
「良く見ればお主らはラベンダーを楽しんでおっただけのようだ。存分に楽しんで行けよ」
ベンダマンは、パカラッ、パカラッ、パカラッと馬を走らせてどこかへ去って行った。後には踏み荒らされたラベンダーが無惨に倒れていた。
「正義ってのは矛盾するのよね」
呆れるキセガワであった。
それはそうと、とうとうダンゴの待つヨシラワへの道が開かれた。エンチョの元で一旦休んだ後、与太郎達はヨシラワへと向かった!
ヨシラワの入り口には、不気味に聳える大門があった。
「遂に来たわね、ヨシラワ。この門を潜ったら、もう二度と生きて出ることはないと言われるこの世の苦界よ。覚悟はいい?」
ダンゴとの最終決戦を前に、与太郎はキセガワにどうしても言っておきたいことがあった。
「なあ、キセガワさん。一つお願いがあるんだが」
「何よ、怖気付いたの?」
「そうじゃないんでさ。お願いというのは、そのう、この戦いが終わったら、俺と夫婦になってくれないか」
与太郎はダメで元々、てっきり断られると思っていた。ところが意に反して、キセガワの答えは驚くべきものだった。
「そうねえ。旅の間、私もそれをずっと考えていたんだけど」
「それじゃ俺と夫婦になってくれるのかい」
「その前にダンゴを倒さなくちゃいけない。今はこれを渡しておくわ」
キセガワは懐から紙を出して与太郎に渡した。それは起請文。結婚の約束を書いた書面であった。
「あ、ありがてえ!それじゃ、本当に、本当に、キセガワさん、俺と…!ふぁああ…」
幸せ過ぎて与太郎はのぼせ上がってしまった。
「ちょっと、こんな所で寝ちゃったらダメよ!」
するとそのとき、突然、空が割れるような大音声と共に、巨大な妖怪が現れた!
「だーれーじゃー!!わしの前で居眠りする奴はー!!」
「ダンゴが現れたわ!早く起きて起きて!」
必死で与太郎を揺さぶり起こしたキセガワ。
「お前は与太郎。待っておったぞ、エンチョの回し者め。わしの野望を邪魔する奴は許さぬ!」
「そうは行くかい!」
与太郎は制約のヘアバンドを使った!
ヘアバンドがダンゴの頭にはまった!ダンゴは力を失って、見る見るうちに小さく萎んでいく!
「くあっ、小癪な奴め。こんなものでわしの妖力を封じようと言うのか!」
「さあ、あべ川ダンゴ!あんたの悪行もこれまでよ!与太郎、これが最後の妖喜利バトル、行くわよ!」
「任せてください、愛の力を見せてやります!」
「なんか不安よね…」
【妖喜利バトル】
キセガワよ。この戦いに勝てば、長かった旅もとうとう終わり。名残惜しい気もするけど、そんなこと言っちゃいられないわ。あれ、でも、与太郎が勝っちゃったら、私って与太郎と結婚するの?一抹の不安はあるけど、最終決戦行ってみよ〜。良かったら、みんなもコメント欄を使って楽しんでみてね。
(お題)
最後はシンプルに奥深く、こんな問題。「幸せって何?」五文字で答えてください。
(与太郎の回答)
「バカである」
…私の幸せは、与太郎に生まれなくて良かったってこと。
※あべ川ダンゴ…笑点の創始者、立川談志師匠とは無関係。
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