万金丹

「ひぃ〜、ひぃ〜、ヒーヒー言わせるつもりが、自分がヒーヒー言っちゃったのねん」

 キクラーをやっつけた!

【座布団6枚獲得!総座布団数30】

「参った、参った。お土産に炒飯を持たせてやるのねん」

「いらないわよ、そんなまずい炒飯」

 キクラーは与太郎に無理矢理炒飯を押し付けると、どこかへ去って行った。

「ありがとう、大ウナギさん。おかげでキクラーを倒すことが出来たわ」

「ほっほっほ、それでは帰るかね」

 大ウナギは、元の町まで送って行ってくれた!

「ふう〜、今回は大冒険だったわね。ちょっと一服しましょうか。また柳陰が飲みたいわ。って、あんた何食べてるの」

 与太郎はキクラーの炒飯を食べていた。

「なかなかいけますよ、これ」

「大丈夫?ちょっと味見。うっ、まずい」

 バカには見えない服というのは聞いたことがあるが、バカにはおいしい炒飯というのは初めてである。

 ところが、やはりまずかったらしい。

「あ、いてて、いてて。お腹が痛い」

「やっぱりね。炒飯を食べたせいよ」

 胃薬でも買おうと、どこかに薬局がないかと探す二人。道行く人に聞いてみた。

「すいません、この辺に薬局はありませんか?」

「それなら、ああ行って、こう行って、ああ行けばこう行くんです」

「ありがとう、よく分かったわ」

 言われた通りに行ってみると、そこはお寺であった。

「こんな所に薬があるんですかい?」

「治療とかもやっているのかもしれないわね」

 出て来たのは、大きな鬼のような妖怪であった。

「きゃっ」

「うひっ」

「これこれ、驚くでない。我は妖怪万金丹である。どんな病もたちどころに治して進ぜるぞよ」

「こ、この人のお腹が痛くて困っているのよ」

「そんなことならお安い御用である。ただし、タダでとは言わぬ」

 妖怪万金丹は与太郎の顔を見てニヤッと笑った。

「何だ?高い金でも取られるのか?」

「さっきからそちの顔を見ていると、本当に面白い。一つ勝負がしてみたくなった」

「は、腹痛を治してもらうのに、鬼を笑わさなきゃいけないのかっ」

 妖怪万金丹と妖喜利バトルだ!


【妖喜利バトル】

 キセガワよ。あっちこっちでバトルを吹っかけられる。面白い顔で生きるのって楽じゃないわね。それでも生きていくには笑いが必要よ。それじゃ妖喜利行ってみよ〜。良かったら、みんなもコメント欄を使って楽しんでみてね。

(お題)

 SFには、透明人間になる薬など、夢のような薬が出てきます。そこで皆さん、とんでもない薬を飲んだ人になって「◯◯の薬を飲んだ」と言ってください。私が「どうなりました?」と聞きますから、更に一言続けてください。

(与太郎の回答)

「低い鼻を高くする薬を飲んだ」

「どうなりました?」

「正直者の私には効果がなかった」

 …薬なんかなくても正直者って言った時点で伸びてるわね。


※万金丹…古典落語の演目。

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