首提灯
「くっ、強い!」
勝負は赤坂炒飯に軍配が上がった!
【座布団一枚没収!総座布団数20】
「そんな!?与太郎も腕が上がっているはずなのに。こいつ何者!?」
驚くキセガワ。
「ぐふふ。私の正体を知って驚くなかれ」
赤坂炒飯がボンッと変身すると、そこにはカッパの妖怪が。
「お前は、妖喜利六将軍のキクラー!」
「ひぃ〜、ひぃ〜、悔しかったらここまでおいで〜」
キクラーは、長屋の奥に逃げ込んだ!
「追うわよ!くう〜、相手がバカだと余計に腹立つわ〜」
キセガワと与太郎も後を追って長屋の中へ。キクラーは押し入れの中に隠れた。
「バカね。そんな所に隠れたって無駄よ」
キセガワが押し入れを開けると、誰もいない。
「あれ、どこへ行ったのかしら?」
与太郎が何かに気付いた。
「ここ、床が開くようになっていますぜ」
見事、隠し扉を見つけた。
「やるじゃない、あんた」
「へへ、何かあいつの考えそうなことが分かるんでさ」
バカ同士で通じ合うものがあるらしい。地下には秘密の通路があった。
「暗いわね。何か明かりになるものがないかしら」
「明かり、明かりっと。おや、提灯がありますよ」
「良くやったわ。って、キャー!!」
「どうしたんです、キセガワさん。おわわわっ!」
与太郎も持ってきたものを見て、思わず取り落としてしまった。なんと、提灯だと思ったものは、人の生首であった。
「ケケケ、乱暴にしないでおくれよ」
「ちちち、提灯が喋ったあ!」
「バカね、どう見たって生首よ!」
「ケケケ、オイラは提灯だよ、生首だよ。首提灯だよ。お二人さん、地下に下りて行きたいのなら、明かりになってやってもいいぜ」
首提灯がニカッと笑うと、白い歯がピカーっと光った。
「どどど、どうしましょう、キセガワさん」
「仕方ないわね。でも、あんたが持ちなさいよ」
「ケケケ。その代わり、タダでとは言わないぜ、花魁のお姉さんよ。オイラもアレやりたいな、アレ」
「何おう、生意気に!?俺だってまだなんだぞ!首だけにもう首ったけか?一目惚れしやがったな、この野郎」
「勘違いしないで。この人はアレをやりたいのよ」
妖喜利バトルが始まった。
【妖喜利バトル】
変なこと考えてるんじゃないわよ。身持ちの固いキセガワだわ。首だけしかなくても、やりたいことはみんな同じ。妖喜利バトルよね。良かったら、みんなもコメント欄を使って楽しんでみてね。
(お題)
提灯と言えば夏祭りですね。そこで今回はこんな問題。「天下の奇祭、ポゲポゲ祭りとは?」
(与太郎の回答)
「その年収穫したお米一粒一粒に、感謝の意を込めて戒名を付け、更にそれを書き込む祭り」
…米粒に字を!考えただけで気が遠くなるわね。でも、それを食べるときのことを考えると、もっと気が遠くなる。
※首提灯…古典落語の演目。
※カッパ…林家木久扇師匠の笑点の持ちネタ。
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