第4話 闇に墜ちる天
コンスタントにホテルに行ってお酒飲んでSEXしてって関係が続いていた。
もう冬になろうとしていた。
彼は本業の傍らインフルエンサーなので、SNSの運用のお仕事もしていた。
本業との両立が難しく、空いてる時間はSNSをやらなきゃいけないという重みに耐えられなくなっていた。
彼は病んでいった。
仕事も休みがちになって、私ともそんなに会わなくなっていた。
クリスマスは会わず年末になっていた。
私は彼を好きだったから、会えないことがさみしかった。でも、不倫だしセフレだしそんなこという権利ないからと言わなかった。
"今日さ、地元の友達と飲んでるからこないー?"
"俺仕事の飲み会なんだ。行けたらねー。"
まぁ、今日もそっけなかった。まぁ、いいかと思って私は地元で楽しく飲んでいた!
夜中に天から連絡がきた。
"どこにいる?"
"まだ地元で飲んでるよ!"
"今から行くわ!"
え?ここに?
タクシーで急に現れた。
地元の子にはそんな話してなかったから、みんなビックリしてた!
なんて説明する関係なのか?
セフレ?んー友達?
分かんなかった。
飲んでても彼は落ち込んでいた。ずっと、SNSの仕事をしていた。カラオケも歌わなかった。
カラオケ嫌いなんだって思った。
じゃ、帰ろうってなったときに天が
"少し歩いて帰らない?"
"そうしよー"
真冬だった。今でも覚えてる。
全然寒くなかった。
片手にスミノフを持ちながら家の方までひたすら歩いた。
彼が落ち込んでたので
"どうしたの?大丈夫??"
今にも泣きそうな天がいた。
"SNSがつらい。。。"
とりあえず、話を聞くために近くのカラオケに入った。
彼は幻覚が見えるって...ドアの方を指して誰かいるって言ってた。
"天!!いない!!大丈夫!!ね!!SNSやめよう!私もやめるから!"
私もすっかりSNSにハマってしまっていてフォローもどんどん増えているときだった。
でも、天が辞めたいなら2人で辞めようと伝えた。
彼が愛おしかった。
弱い部分をみせてくれる彼が。
守ってあげたいと思った。
最初に聞いたんだ。
"天はさびしい星にいるんだね!海といっしょだなぁ。"
って。彼は否定してた。
"俺は寂しくなんかないし元気!だってギャル男だもん"って。
その時はそっか。違うのかって思った。
でも、実際はものすごくカッコつけでプライド高くてお兄さんでリーダーキャラ。
自分で会社もやっていて若いのに立派な社長さん。
誰にも弱みを見せないんだよね。
それでいて、お酒を毎晩飲んでいた。いつも朝に気持ち悪いー飲みすぎたーて。
"何でそんなにお酒飲んじゃうの?何に悩んでるの?"
"なんにも悩んでねぇーー"
私は心配だった。
天が潰れちゃうんじゃないかと思って。
アルコール中毒なんじゃないかと思って。
だからその夜決めたんだ。
"彼を守りたい。"
人生短距離走なんか言うんじゃないよって。
みんなが悲しむんだから。
"0時になったらジャンプしよーぜーー"
ってLINEして
"せーーのーーあけましておめでとう"
離れてても平気だった。
そうして、今年がおわった。
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