第3話 冷たくて冷静な目

会う前日の夜...

"やばい俺、6年ぶりくらいやってないんだけど。"

"え?まじで!うそでしょ?チャラついてそうなのに?"


"もちろん、昔は死ぬほど遊んだよ。やりまくったし。今の嫁と結婚してからは浮気とかしてないし、嫁ともまじでレスなんだ。"

"へぇ〜そうなんだ。"


まぁ、レスとかいう奴とか多いけどやってんだろ?と思った。

私は結婚して10年経つがセフレがいたことがあった。でも、満たされなかった。だって別にセックスがしたいわけじゃなかったから。

天と知り合う数ヶ月前にそれに気づいてもうそういうことはしないと心に決めていた。

なのに、夏が過ぎ秋になろうというところ天と知り合ってすぐにそういう関係になってしまった。


私は枯れていた。

愛のないセフレなんかだいたい2ヶ月〜3ヶ月くらいの関係で終わるって。

だから、天にも伝えてた。

きっとあなたも2,3ヶ月で私の事なんか忘れるよって。

私は男をハマらせる癖があった。

セフレがいなくなる原因も私を好きすぎるだった。

だから終わりにしたいって言われたら、少し落ち込むけど数日で顔すら忘れた。

天に対してもそれくらいのつもりで最初は接してた。

そのつもりだった...


"明日、10時くらいに迎えに行くね!"

"うん、わかった♡"


当日の朝...

"おはよう〜♡"

"おう!うみおはよ!とりあえず、ご飯食べようぜ!酒飲めるとこないかな?"

"こんな朝早くからやってんの??"


行くホテルは決まってた。

都心には住んでないから地元ならここってホテルが1つあったから。

その近くの中華屋さんに行って、ビールを2人で飲んだ。

今思えばキスするのに餃子かよ?て...


2時間くらいお店に滞在して、コンビニ寄って行くかぁってなった。この感じに普通のカップル感はやっぱりない。だって、W不倫だからカップルではない。

天は嫌がって口にしなかったけどセフレってやつだから。


本当は私は彼氏が欲しかった。

お酒もカラオケも好きだから、ふらっと一緒に飲みに行けてセックスもうまかったら最高なのになぁ〜て。

夫婦生活に満たされなかったんだ。

私の旦那はモラハラ気質で4個上。

私が21の時働いてたキャバクラで知り合って3年付き合ったときに妊娠。

いわゆる若い人あるあるのデキ婚。

私は職歴もなかったし、早く結婚したかった。

誰かに愛されたかった。誰かの1番になりたかった。

だから、結婚して幸せになれると思った。

3人の子供もいる。周りからみたら幸せいっぱい。

でも、そんなの家庭内のことは誰も知らない。

閉鎖された空間。




"シャワーあびよーー"

私は大胆に服を脱ぎ捨てた。

たぶん、こなれてるって思われたかった。

今思うと何やってんだか?て感じ。


私達が入ったお部屋は露天風呂が付いてるお部屋だった。最初に行くホテルにしたら最高!!

天って金あるんだなぁーて思った。仕事のことなんも知らないやーとも思った。天にお金があるとかないとか興味なくて、私の都合に合わせてくれるからよかった。

平日の昼間...

女になるずるい時間。


露天風呂に浸かって、熱いって速攻天が出た。笑

ベットに行き、まだぎこちなく抱き合った。


天は抱いている時無言だし、息もあがってなかった。

こんな人いるの?て思った。

ロボットなのかな?感情あるのかな?

2回抱き合ったんだけど、終始疑問だった。

でも、嫌じゃなかった。すごい気持ちよかった。

そして、少し切なかった。

その冷たい目がさみしさをうめた。


あなたはベットに横たわって叫んだよね。


"あーーー、フリーなら速攻付き合おうっていうのにーーーー!!!!"

"え?笑 いや、彼氏いないからあいてるよ?"

"ダメダメ!付き合わない!俺、ハマっちゃうタイプだから!ダメなの!"

"ちぇーーつまんなーい!"


そんな中始まった秋の始まり...

あの頃は無邪気だった。ただ楽しかった。

まだ好きも抑えられてた。

でも、確実にお互い引かれあってた。

心と心がくっつくんじゃないかと思った。

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