慌てるな。孔明の罠だ

〇マリカの強襲から逃げるコッコ。ショッピングモールから運河。そして貧民街へ。


・ビルの谷間へ。真っ逆さまに落ちるコッコとマータ。そしてイナバ。

・「なんで!? 護ってくれるんじゃなかったの!?」

・「事情が変わった! マータちゃんは既にストームルーラーを破壊し、その異常性に感染していた! マリカさんの狙いはマータちゃんそのものに切り替わっていた!」

・「そんな! マータには、そんなすごい力なんて……!」

・「そうだ! ない! 今はまだ! だがいずれ目覚めるかも知れない! そうなればマータはクラスⅣの異常存在だ! 制御可能かどうかも分からない危険な存在になる!」

・「その通り。マータさん。貴女は危険です」

・窓から飛び出してきたキョンシー。その口に埋め込まれたスピーカーからマリカの声

・ビルから次から次へとキョンシーが飛び降りて、強襲してくる。

・「言った通り、マータさんはクラスⅣの異常存在。この都市にとって危険すぎる存在」

・コッコはイエローブリックロードを展開し、空中を走る。ビルの壁を滑る。看板を蹴飛ばして跳ぶ。

・「ですが私たちは企業です。ハイドラ教会のように異常存在を破壊したり、ヤシオリ財団のように封印を目的とはしていません。あなたさえ協力していただければ、自由を与えることもできます」

・「自由? それを信じるとでも! このキョンシーだって『自由』によって選択されたというのに!」

・「ええ。彼らは自由です。自由に窮し、自由に債権を背負い、自由に死後を捧げました。それが我々リヴァイアサンの理念です」

・「話に! ならない!」

・キョンシーのジャンプに合わせブロックを展開し、撃ち落とすコッコ。

・しかしどんなに対処しても、キョンシーは次から次へと襲い掛かってくる。

・「コッコ! 霊力を使いすぎだ! 出力が落ちてるぞ!」

・「そうは言っても……この状況ではどこに逃げたら良いか……!」

・既にステーションは固められ、都市から脱出する手段はない。ここまで追跡されしまっては、隠れる場所もありそうにない。

・当座はしのげていても、じり貧に陥っていた。

・「ココねー! これ持ってて!」

・マータはコッコに「何か」を渡す

・「それで、運河に飛び込んで!」

・言うが早いか、コッコはブロックを蹴飛ばして、運河に向かって落下した。

・そこへ落ちながら、マータは自身の足を尾ビレに戻す

・「運河に? まさか!」

・マリカはキョンシー達を追わせようとするが、コッコがフォースバーストを仕掛けて吹き飛ばしたため叶わず、二人は運河に飛び込む。

・暗い水の中。

・しかしマータは見えていた。この都市の地下に、古い都市が眠っている。九朧城と同じように、商業区もまた古い遺跡の上に建っている。

・運河から、そうした地下水路への入り口を探り、コッコを抱えて潜っていくマータ。

・だが。

・「やはり、ここだったな」

・その地下の旧市街へ繋がる縦穴の中で、サメ男トニーは待ち構えていた。

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