ブリキ木こりはゼンマイ羊の夢を見るか?

〇交渉係との戦闘。シャコ兄弟。


・マータは元より水上警察になるために街にやってきた。

・しかし、その適性検査では『体格』と『霊力』に問題があり、合格することができなかった。

・体格については、オルカ族にしては非常に小柄な体躯であるため。

・霊力については、クラス0と判定され通常の祈祷機を全く使用できず、かろうじて刺青により人足化と、遺伝子に刻まれたスキルが使えるのみだった。

・ナイフ術や格闘術に関しては訓練はしていたが、アーキタイプの着装ができなければそもそも基礎的な能力が全く足りない。

・しかしマータは岩礁に帰ることはなかった。岩礁に戻っても、閉じられた暮らしが待っているだけだったから。

・水上警察になれないなら、カネをためて、メトロパスを買って、都市を出る。そのために、貧民街でやってきた。

・結局それも、上手くお金が貯まっていたわけではないけど

・「なるほどね。どうりで体幹が強いわけだ」

・「アーキタイプ無しでそこまで動けるんなら大したモンだ。隠れた才能だぞ」

・「そんな……相手が油断してくれてただけだし……」

・「いいや。本当にマータちゃんがいてくれて助かった……だから、こうして反撃できる!」

・そしてドーザーブレードを振り上げるコッコ

・OZ-02 WOODSMAN。一対のドーザーブレードを備えた、重装歩兵型アーキタイプ。

・コッコはそのドーザーブレードを使い、九龍城の壁や床を破壊して屋上へ昇り始めた

・「地震攻撃が来ない。こんなに派手に動いているのに」

・「おそらくだが、あのエイ男がスポッターなんだろう。地震攻撃をしていた奴は、俺達を観測する能力がない。眼を潰したのなら、こちらの好機だ」

・「なるほど」

・天井を突き破り、屋上に出るコッコ。

・エーテルネットワーク用アンテナが立ち並ぶアンテナの林。その先に、一人男が待ち受けていた。

・「もう来たのか!?」

・「わっさー! 地震の人! そして説得!」

・アンテナをドーザーブレードで薙ぎ払いながら、三節槍を振り回して突進するコッコ

・男は左腕が大きなカニのようなアーキタイプを纏っているが、機動力は低い。ビルの端まで追いつかれた後に応戦する

・「ショックウェーブシャコパンチ!」

・しかしそれもドーザーブレードに防がれ、メイスで膝を砕かれてしまう

・「おいおい。容赦がないな……」

・「加減はしたよ。これくらいならオチミズをぶっかければ治る」

・「まあな……先に手を出したのは向こうなわけだしな……」

・だが次の瞬間、コッコの足元のコンクリが爆発した。

・激しい振動攻撃。しかも至近から。

・さらに飛び出してきたのは、もう一人のシャコ男。

・「そうか、共振! 遠距離から二つの波動を重ね合わせ、特定の場所のみを破壊していたってわけか!」

・シャコ男は二人いた。

・「それに気付いたところで勝てるか!? 弟と違い俺は接近戦タイプだ!」

・ボクシングのスタイルを応用した猛烈なラッシュ。ドーザーブレードも騎士剣も至近距離では役に立たない。

・「まあ、だったら使わないんだけど」

・ごがん。と。シャコ男の顔面にイエローブリックロードがヒットする。

・まっすぐ自分に向かって突っ込んでくるなら、その進路上にレンガを配置すればいい

・「しかも角で当てたよこいつ容赦ねえな……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る