アイテム

・オチミズ


 かつて『月』からもたらされたという神秘の液体。

 大気中のエーテリウムを集めて精製すると、それは液体となる。

 これはオチミズと呼ばれているが、その『色』は「透明とも銀とも違う。しかしどんな色をしているとも言い難い」という不可思議な『平行色』という特徴を持っている。

 ヒトやモノに異常性を与える性質があり、触れているだけでも影響を及ぼす可能性がある。

 一方で生物の怪我や病気を癒す効果も確認されており、特に異能者は『霊力』の回復にも利用している。

 近年では、オチミズと悪夢病との関連も指摘されており、高純度のオチミズの精製を禁止する都市も現れてきている。


祈祷機プレイヤー


 ポータブルフォーススキルプレイヤーとも呼ばれる。技能を記録したMDを挿入し、イヤホンを通じて使用者に『技能』を使用できるようにする機械。

 地球で言うMDウォークマンに似ている。

 一枚のMDには複数の技能を記録することができるので、大抵は技能を複数使って組み上げられた『霊子外骨格』が吹き込まれている


MDマインドディスク


 祈祷機を参照


霊子外骨格アーキタイプ


 複数の技能を組み合わせ、物理的な動作をサポートする『フレーム』と知覚能力を高める『センサー』と、情報処理能力を肩代わりする『霊子頭脳』と、これらをシステムとして総括する『OS』によって成り立っている。

 主な用途はパワーを活かした土木工事、災害復旧、警察用に軍用などがあるが、あえてフレームの機能を制限/オミットしてセンサーと霊子頭脳に特化した専門職モデルも存在する。


霊子武装エーテルウエポン


 戦闘用アーキタイプに搭載される異能者や異常物品に対抗するために開発された武装。

 最も良く用いられる形は、刀剣や槍などの冷兵器にゼリー化したオチミズを塗布し、フォースフィールドに対抗した武装。オチミズ・ゼリーは銃弾や矢に用いることも可能だが、射撃武器は直接霊力を流し込んで異相空間の『波長』を合わせることができないため、効果は薄いとされている。

 他にも、アナトリア騎士団では『聖銀』と呼ばれるエーテリウムと近い性質を持った金属を用いて『騎士剣』が制作されており、こちらはオチミズ・ゼリーを塗布する必要がない。

 この他にも、技能を利用したプラズマガンやレールガンも霊子武装と呼ばれる。


火器管制システムFCS


 アーキタイプに組み込まれる、霊子武装の管制システム。火器管制とあるが、実際は冷兵器の管制も問題なく行える。

 射撃のみならず、近接戦武器についても制御を行うことができる。

 具体的には『狙う→構える→撃つ』や『構える→振る』などの『その武器を扱う熟練者の動き』がプログラムとして何パターンか組み込まれており、アーキタイプ使用者はOSを介して適切に選択し使用することができる。

 つまり、ボタンを押せば必殺技が出る。いつも同じ強さと巧さで技を出せる。今日初めて握った武器でも、FCSが優秀なら熟練者と同じ動きで扱える。

 基本的に最大効率で動こうとしてしまうため、ある程度以上に戦闘慣れしている相手だと容易に動きを読まれてしまう欠点がある。なので、FCSはそれぞれ『味付け』を行うか、そもそもマニュアル制御で済ませる者も多い。


・フレーム


 霊子外骨格を構成する外装を示す。

 本来は不可視であるが、安全上の理由で着光されている。光る鎧。

 基本的には着装者の身体を覆う鎧となるが、追加機能によってはショベルやアームが追加されたり、大砲を撃つ反動を軽減するためにスタビライザーがついたり、ローラーダッシュ機構や防弾シールドが追加されることもある。

 パワーはもちろん。精密動作性やスピードに関してもフレームに組み込まれた技能の影響を受けるので、設計にはバランスが求められる。さらに、量産品は性能にある程度安全マージンを設けているので、よりフィットして高性能のフレームを求めるならオーダーメイドで制作するのが望ましい。


・センサー


 霊子外骨格のセンサー部とそれを構成する技能を示す。

 単に望遠や聴覚鋭敏化のみならず、電波や磁場、赤外線や紫外線、果ては霊力や読心、未来予知すら理論上は組み込むことができる。

 ただし、ここで受け取った情報はほとんどの場合はそのまま脳に流し込んでも処理できず、適切なOSを介する必要がある。これをしない場合、自身の身体には存在しない感覚器からの情報を直に受けてしまうため、心的違和感に苦しむことになる。

 OSがそこを肩代わりすることで負担は無くなるが、情報の速度や正確性はいくらか落ちてしまう。


・霊子頭脳


 霊子外骨格の情報処理部を示す。

 虚物質の性質を持つ霊子を利用したコンピューターであるが、その構造はほとんどがブラックボックス化されており、詳細は不明。『なんとなく使えるからコピーして流用』しているに過ぎない。

 よってこの演算装置は、高性能であるにも関わらずアーキタイプ以外にはあまり使われていない。


・OS


 霊子外骨格のオペレーティングシステム。

 センサーからの情報を処理してモニターし、着装者の命令や動作をフィードバックしてフレームを駆動し、霊子頭脳での演算道理に火器や技能の管制を行うシステム。

 割と制作者によって雰囲気が異なるので、このOSの種類にこだわるアーキタイプ使いは多い。

 ちなみにOZシリーズにもイナバ自作のOSが搭載されている。


・天気輪の柱


 地下鉄の目印。駅の入口部分に置いてあるモノ。

 なぜそれが『天気輪の柱』と呼ばれるかは誰も知らないが、取り合えずこれが壊れず立っている場所なら駅が機能しているということでもある。

 砂漠のど真ん中でも。海の底でも。


・メトロパス


 鉄道管理局が発行するカード。

 駅構内の改札機や自動販売機にかざして使える。要するに交通系ICカード。

 基本的には無記名で何も書かれていないが、異能者が触れるとその異能の『名前』が浮き出てくる性質がある。カード自体は奪われても本人以外には使えず、本人が無記名カードを再発行すれば残高も引き続き使える。まこと便利な超技術。

 券売機にてチャージすれば乗車券として使える。チャージする物品はオチミズや、異能者自身の血液。あるいは不死の持つ血液等が使える。クラスの高い異能者や危険な不死ほどチャージ金額が高い。

 いずれにせよ。異能者ではない一般人がチャージするのは非常に困難であるため、異能者の残高を取引して譲渡してもらう必要がある(カードを重ねると残高を分け与えられる)


代用貨幣プラスチック


 メトロパスの代わりに用意されるプラスチック製の貨幣。

 正式に鉄道管理局が発行しているモノではなく、各勢力がその勢力圏内で使うための『商品券』のような役割を持っている。

 一応それなりに製造番号を記録したり偽造防止措置もとられてはいるが、メトロパスに比べるといくらか信頼性は落ち、他人に盗まれるような事態も発生し得る。

 あくまでインフラが整ってない市街や、軍施設など閉鎖された空間、あるいはメトロパスを持てない事情を持つ者が金銭のやり取りするために流通するもの。


 紅港ではリヴァイアサン連合のプラスチックが使用されている。


嵐の王ストームルーラー


 岩礁ではなく都市の地下で発見され、ホテル・ウィクトーリアが確保し、労働者組合が奪取した後にイナバが持ち去り、都市の『運び屋』達の手をリレーしながら、結果的にはマータに破壊された異常物品。

 特性は慣性制御であり『エーテルに作用し、大気に水と同じ粘土と慣性重量を与える』というもの。

 一見するとただ『空中を泳げる』ようになるだけに見えるが、非常に広い影響範囲を伴い、これによって起きた『風』は止まることなく吹き荒れるため、容易に嵐を発生させ得るクラスⅣ。災害級のイレギュラーでもある。

 ただし、マータ自身はこれを十分に使いこなせておらず、そもそも異常性が自身に感染したことにも無自覚である。


・エーテルプリンター


 プレイヤーに内蔵されている機能。

 MDに組み込まれた『設計図』通りに物体を組み立て、実数化する。

 武器や装備のみならず、複雑な機械や自動車など大きなモノまで霊力次第では実数化することができる

 ただし、それらは『コピー』のものでしかなく『オリジナル』ではない点には注意が必要。

 

 コッコの使う騎士剣やコートはエーテルプリンターで制作されたもので、オリジナルは別の場所に保管されている。

 なので壊れても新しく再生すれば元通りの新品が出せる。


 ちなみに、薬品や有機物など分子構造が複雑なモノはエーテルプリンターで再生することはできない。これらは『保存』や『裏返し』などのスキルでオリジナルを持ち歩く必要がある。

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