3:設定と用語
世界観
・
『この世界』の大気に含まれる『虚数の質量』を持った物質。
時間も空間も異なる次元都市が『繋がった』理由であるとも考えられているが、詳細は不明。
異能者や異常物品はこのエーテリウムに霊力によって干渉し、様々な現象を引き起こす。
・
オチミズの影響にとって強い霊力を持ち、エーテリウムに作用する能力を得たモノ。
人間の場合を特に『異能者』と呼んでいるが、人間以外の生物や、ただの死体や生命のない物品でも異常性を持つ例があるので、便宜上の区別に過ぎない。
『ヤシオリ財団』は危険度に応じてクラスⅠ、クラスⅡ、クラスⅢと階級分けを行っている。
『この世界』の人間は、潜在的にはクラスⅠの異常性を持っている。故に基本的には、異能者と呼ばれるのはクラスⅡから。
・
異能者を参照
・次元都市
『この世界』はバラバラになった次元都市が『地下鉄』によって繋がることで成り立っている。
『この世界』を構成する、無数の都市。それぞれの都市は環境や文明レベルはもちろん、時間の流れすら同一ではなく、物理的な繋がりはない。
物語の舞台となる『紅港』は比較的文明レベルの高い次元都市。地球で言うと90年代の香港に似た雰囲気
・
フォース。エーテリウムに干渉し、様々な現象を引き起こす力。
エーテリウムの物質化、プラズマ化。読心など精神影響。果ては現実改変や認識災害までその現象は多岐に渡る。
霊力は『精神の力』であるとされているが、一方で死体やモノにも霊力は宿ることがあるため、研究者の中でも未だ意見がわかれている。
・
クラスⅡ以上の異能者や異常物品が発現する超次元現象。自身の身体もしくは周囲に異相空間を展開し、非破壊性やより強力な異能を発現することができる。
フォースフィールドを持つイレギュラーに対しては通常の破壊手段は無効であり、オチミズやそれを利用した兵器や、別の異能者によって異相空間を中和する必要がある。
物理的な攻撃には強いが、化学エネルギーや熱エネルギーへの耐性は比較的低いとされており、テルミット焼夷弾やレーザー兵器が使われることもある。
・
特定の人物の記憶や人格を元に、その技能をミームとしてコピーし、パッケージ化したもの。
例えば機械の操縦。例えば経済学。例えばシャーデンフロイデという感情。それらを『体験』として移殖することができる。
異能者や異常物品の霊力もまた例外ではなく、大半はコピーして他人が利用することができるモノでしかない。
コピーができない。その手法が確立されていないモノは、特に『
技能をパッケージ化する方法はMDが代表的だが、コンパクトカセットやCD、書物、石板、刺青など、様々な手法で技能は記録され、利用されてきた。
・
技能を参照
・
霊子外骨格の設計者。要求されるスペックを使用者の霊力や脳のメモリ容量に合わせ技能を組み上げていく。これには専門的な知識と技術、何よりセンスが必要になってくる。
イナバも港湾労働者組合でアーキテクトとして所属していた。またコッコの使うアーキタイプ『OZ-01 LEO』、『OZ-02 WOODSMAN』、『OZ-03 SCARECROW』の三機もイナバがデザインしたモノだった
・悪夢病
オチミズの影響で起きる一種の精神病。
一種の。という言い方をされるのは、それが悪夢という精神影響にとどまらず、『少女化』という肉体的な変異も引き起こされるからである。
具体的には
第一段階:継続的な悪夢の発現
第二段階:不眠。幻覚、幻聴。
第三段階:味覚障害。のどの渇き。末端の震え。
第四段階:眼や髪が平行色に。記憶障害。
第五段階:少女化。人格の消失。不死性の獲得。イモータルに。
一度段階が進むと治療する方法は無く、オチミズの摂取を止めることで進行を遅らせることができるのみ。しかしそれすら、都市の大気や雨に含まれるエーテリウムの影響から逃れることはできない。
第五段階に達した者もしくはモノをイモータルと呼ぶ。
・
悪夢病が第五段階まで進み、不死性を獲得したモノ。
それは髪や瞳が『平行色』であり、十代半ば程度の汎人類の少女に見える。しかし大抵のイモータルの姿は腕が余分についていたり、表裏が逆だったり、機械や物品と融合していたり、元の姿が取り込まれたままだったり『歪んだ』姿で現れることが大半である。なので『少女』の姿は数々の事例から平均を取った憶測に過ぎない。
通常の異能者以上のフォースフィールドを持つが、精神は既に崩壊しており、発声器官が残っていたとしても意味不明な『祈り』をうわごとのように呟くだけである。
肉体そのものにも高い再生能力があり、全身の細胞に一気にダメージを与える事ができなければトドメを刺すことができない
総じて、非常に危険度の高い存在であり、いかなる勢力であろうと最優先で排除しなければならない敵である。
・
次元都市と次元都市を繋ぐ手段。
地下を走る形になっているが、実際にはその線路は虚数空間に伸びているという。
運営は鉄道管理局と機械生命体が行っており、人間が関わる事はない。
かつては管理局が都市機能の管理をも担っていたが、地下鉄大戦の影響でその機能はほとんど停止し、その影響力は駅構内にとどまっている。
駅施設の利用にはメトロパスが必要。駅の券売機で資源と取引して駅構内の通貨を手に入れることもできる。
鉄道は様々な次元都市に繋がっているが、どこまで伸びているかは誰も知らない。
・
都市内で活動する不明な機械。どんな文明が作ったのか、オチミズを燃料としているらしいこと以外不明だが、これを利用する事で次元都市は成り立っている。
駅構内に存在する機械はほとんどがオートマトンであり、都市で機械や自動工場が発掘されることもある。
基本的には人間には無害だが、イモータルに対しては強い敵意を持っており、一部の異能者に対しても敵対的な反応を起こすことがある。
なんとなくカンブリア紀の生物を髣髴とさせる外見のモノが多い(アノマロカリスのような姿で空を飛ぶ『グライダー』や、ハルキゲニアのようにてこてこ歩き通信する『アダプター』など)
また、自動販売機やATMの類もほとんどはオートマトンであり、無理に商品を奪おうとすると戦闘モードに変形して襲い掛かってくる
これら街に存在するオートマトンを利用した通信網がエーテルネットワークである。
・エーテルネットワーク
オートマトンを介し、次元都市間を繋ぐ通信網。つまりインターネット。
各次元都市の文明レベルはまちまちだが、通信技術に限れば、これを利用することで都市を超えて通信することができる。パーソナルコンピューターや携帯電話も普及している(スマホはない)
ただし、有線通信はあまり普及しておらず、無線通信でも盗聴やハッキングの危険性は高い。
・ミーム性
技能はミーム性を持つ。
それは『歌』に例えられ、誰かが歌い、それが楽譜や詩に記され、別の誰かに歌われ、アレンジや編曲をされながら増殖していく。
故に。技能は様々な方法で記録することができる。
一方で反ミーム性を持ち、コピーができない技能や異能もある。
これらは記録することができず、できていても異常性を失ってしまう類の技能や異能を指す
・遺伝技能
種族技能。ジーンとも。
遺伝子に刻み込まれた技能や異能のこと。遺伝子によってしか継承することができず、特定の器官が必要な場合もある。
エコーロケーションやら吸血やら。
また、特定の種族が『秘伝』としている技能もある。これは厳密には遺伝ではなく、ミームとして他人が継承可能な場合もある。あるいは人魚の人間化など、他の種族にとっては意味のない技能であることもある。
・種族
都市には地球人類によく似た『汎人類』の他にも様々な種族が存在する。
それらは『哺乳類か、それ以外の生物種が人類に進化した姿』とも考えられており、汎人類もまた猿が進化した『人間』だと言われる。
汎人類=テラン。地精人とも。最も人口が多い。
獣人=月精人とも。猫や犬など哺乳類の特徴を持つ種族。オルカ族もここ。
吸血鬼=冥精人とも。細菌が進化した人類。外見ではなく血液が本体。
魚人=海精人とも。多くは魚類だが、オクト族やシュリンプ族もこちらに属する。
蟲人=木精人とも。節足動物から進化した人類。
竜人=恐竜人。デイノス。火精人とも。恐竜から進化した人類。
アナトリア人=一般的には汎人類と認識されることもあるが、厳密には汎人類とは別の種族。らしい。男性は存在せず、女性しかいない種族
・平行色
悪夢病が進行すると現れる現象。
「形」は認識できても「色」が認識できない何か。無理矢理に『銀色』と表現されることもあるが、光沢があるわけでもない。
オチミズがその色であり、悪夢病の症状が進んだ者は 血液がその色になり、次に臓器が、眼球が、髪が平行色に侵される。
また、フォースフィールドも『平行色』であり、色が認識される事はない。個々人の霊力の色を見るには、エーテリウムに直接霊力を注ぎ込む必要がある
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