しょーとしょーと
@akan_hito
第1話 操縦士
「君は今日から操縦士になって貰う」
どうやら俺は選ばれてしまったようだ。とんでもない倍率を勝ち残ったエリートなんだと。
「ここにある中から好きなモノを選んでくれたまえ」
乗り気はしないが、拒否権はないみたいだ。どうせ乗せられるのなら高スペックなやつがいい。機体に貼り付けてある注意書きを一つ一つ時間をかけて吟味する。
「なんだ、気に入らないか?」
正直言うとそうだ。きっと長い付き合いになるはずの機体、できるだけ格好良くて強くて賢い方がいいに決まっているじゃないか。
それがなんだ。
「見た目イマイチ、強さもうひとつ、賢さふつう」
「見た目最低、強さ最弱、賢さそこそこ」
「見た目そこそこ、強さもうひとつ、賢さ最低」
なんだよ、このワクワクしない文字の羅列は。この中から選べって方が無理がある。
「もっとスペックの良い機体? この工場じゃあその辺が限界だ。稀に飛び抜けた機体が出来てくることもあるがね、今回はそんなもんだ」
投げやりな言い方だな。こちとら気が付いたら無理やりここに連れてこられて、挙句の果てには強制的に操縦士にされそうになってんだよ。ちょっとは優しくしてくれてもいいじゃねえか。
なんだよその目は。わかったよ、どうせこんなのどれに乗っても一緒だ。適当に乗ってやるよ。
「俺を睨むんじゃねえよ、恨むんなら親を恨みな」
しょーとしょーと @akan_hito
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