うるさい



花屋は失恋した。

永遠の別れという形での失恋。

隠れ家一同は、花屋が片想いしていた人を失った痛みからか、花屋へ激しく同情し、皆が皆、花屋を気遣い過ごしていた。



「花屋、体調は?」

「花屋、元気?」

「食べたいものとかある?」

「したいこととかある?」

「花屋の好きそうなもの持ってきたよ」

「花屋はこのお洋服好きだよね」

「ねえ花屋」

「花屋はさ」

「好きな人が」

「実在して」

「手で」

「身体に」

「直接触れてただけ」

「それだけ」

「救われてるよね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る