作者がプレイしたMMORPGに関する回顧録。ゲームブログに載せるような客観的なデータを書き連ねたものではなく、主にプレーヤーとしての体験を描いている。
個人的に知ってるタイトルはPSO2とTERAぐらいだったが、知らないゲームでもMMORPGはプレイヤー毎に異なった体験があり、その当時ならではの楽しみ方が聞けて良かった。
今のゲーム業界においてはすでにMMOは下火になっており、ブームはすでに過去のものになった。
なぜか?という理由について考える。あくまで個人的な見解ではあるのだが、MMOの流行はネット黎明期の熱気と重なるところがあると思う。ネットの向こうに1つの世界があるという感覚が新鮮で、ひたすら楽しくて夢中になれる時代があった。
今はネットのリアルはほとんど地続きのものになりつつあるから、リアルに友達と一緒に遊ぶフォートナイトやYouTuberによる実況が映えるゲームなどが流行るのだ。
本文にも書いてあるし、あちこちで経験者がそう語っているのを聞くのだが、ネットゲームのプレイヤーは最初にハマったゲームのことを親だと思って、その面影を追い続けるものらしい。だが、多くの場合その渇望は満たされない。多忙な現代人にはゲーム以外にもやることが沢山あり、心の底からのめりこんでいられる時間などは人生の中でほんの少ししかないのかもしれない。だからこの回顧録が少し切なくもあるのだ。
しかし、MMO という文化が完全に廃れてしまうのも寂しいな。国産MMO の最後の砦のと言われているブループロトコルはどうなることやら……。