番外編『武装神姫BATTLE RONDO』
武装神姫BATTLE RONDO
運営元 コナミデジタルエンタテインメント
運営開始日 2007年4月23日
コナミから発売されているアクションフィギュアシリーズである『武装神姫』のオンラインゲーム。
MMORPGではありませんが、まあネトゲという大きなくくりの中には入っているということにしておきましょう。
市販の武装神姫フィギュアを購入すると付いてくるアクセスコードを入力することで、ゲーム上でもその神姫を入手して遊べるというもの。フィギュアを購入しなくても神姫のデータだけ購入することも可能です。というか僕は実物のフィギュアが連動しているゲームとは全然知らずに始めた口です。
遊ぶだけなら基本無料で、その場合はゲーム専用キャラである忍者型フブキを使用することができます。他の神姫で遊びたければ買ってね、という形。
各種武装もゲーム内で入手できるもの以外は別途購入する必要があります。
当時としては珍しいスタミナ制(バトルなどに参加するために必要で、時間経過で回復するやつ)を導入していたバトロンですが、必要なものはほとんど先に購入してからようやくゲームを始められるという、ある意味大人向けのゲームでした。
ゲームシステムとしては、神姫同士での対人戦がメインです。
対人戦と言っても、自分で操作することはできません。
プレイヤーにできるのは神姫をセットアップして武装させ、様々なバトルを通じて射程距離の感覚や性格などを調整していき、対戦相手の武装や戦歴を読み取って最適な武装セットを選択することのみ。
バトルが始まってしまえば後は神姫が経験と武装に基づいて自分の判断で戦います。プレイヤーは後方で腕組みをしながら戦いの行方を見守ることしかできません。
最初はCクラスから始まり、対人戦であるオフィシャルバトルで一定数勝利すると、一つ上のクラスに昇格できます。それを繰り返して最高のSクラスを目指すのが一応の目標となります。
しかし、オフィシャルバトルは無限にできるものではありません。
オフィシャルバトルでのみ神姫は経験値を獲得してレベルアップすることができるのですが、昇格できないまま一定のレベルまで達してしまうと、EXクラスという特殊なクラスになってしまいます。このEXクラスはあらゆる強さの神姫が入り乱れている無差別級で、例えばAクラスまで行って昇格できなかった神姫とCクラスから上がれなかった初心者がマッチングすることもあります。ある意味、引退後のクラスといったところですね。
EXクラスに落ちてしまった神姫はその後ほとんど成長の余地がないので、多くの場合はやり直すためにリセットすることになります。そうすることで何度も育成をやり直してSクラスを目指すことができる……のですが……。
まあこれは後に記します。
僕がバトロンを知ったきっかけは……確か武装神姫のウェブラジオだったと思います。好きな声優さん目当てで聞いていたらゲームにも興味が湧いたんだったかなと。
いや、ゲームが先でラジオが後だったかな……? うーん……記憶が……
まあそれはともかく、最初は無課金でやるつもりでしたが、無料で使えるフブキを育てているうちにハマってしまい、気付いたら兎型ヴァッフェバニーと犬型ハウリンという神姫を購入していました。
僕のお気に入りは犬型ハウリンで、これはバトロンのラジオに出ていた僕の好きな声優さんこと喜多村英梨さんが声を当てていたからという理由です。
無料でもらえる忍者型フブキも見た目や性格が好みで、結構気に入っていました。
神姫は戦わせる以外にも、普段着を着させて愛でるという楽しみ方もできます。というか、それ専用のジオラマスタジオという機能も付属していました。手持ちの神姫を並べて好きなポーズを取らせたり、様々なアングルでスクリーンショットを撮ることができるというものです。今でも検索すれば、当時のオーナーたちの力作が残っていると思います。
最初は一人で遊び始めたのですが、そのうちリアル友人を誘って一緒にプレイするようになりました。武装や戦術についてあれこれ話すのは楽しかったですね。
一度か二度くらい、オフィシャルバトルで偶然その友人とマッチングしたことがあって、うわーっとテンションが上り、バトル後に思わずメールしたことを今でも覚えています。
さて、こういった育成ゲームにはよくあるお約束ですが、神姫には隠しパラメーターとして好感度というものが設定されています。
ホーム画面で時々発生する会話イベントや、戦闘後の褒める・叱るといった選択肢によっても好感度が上下します。(戦闘後の選択肢は神姫の戦闘AIを調整するために重要なものなので、常に褒めればいいというものでもないんですが)
好感度が上がるとセリフが変化し、徐々に親密なものになっていきます。これも神姫育成の醍醐味と言えるのですが……一つだけ、大きな問題があります。
それは、神姫に愛着が湧きすぎてしまうということ。
いくら愛情を注いで育てた神姫でも、Sクラス到達はなかなか難しいものです。
やむなくEXクラスに落ちてしまい、じゃあこれ以上どうしようもないからリセットしようかな、となった時。好感度は残してそれ以外の全部をリセットできればいいのですが、そう都合のいい話はありません。
そうです。リセットとはつまり、神姫がそれまでに蓄積してきた経験や記憶を全て消すということ。つまり、神姫にとっての死を意味するのです。
そしてリセットしようとすれば、当然神姫はリアクションを返してきます。
好感度が上がっていれば上っているほど、リセット時の神姫のセリフもプレイヤーを引き止めるようなものに変化していきます。
無料で使える忍者型フブキのセリフを一例にしてみましょう。
好感度が低い場合
(リセットを選択)「そうですか、わかりました」
(リセットを選択)「それが、オーナーの判断であれば 何も言うことはありません 何も……」
(本当にリセットを選択)「お達者で」
好感度が高い場合
(リセットを選択)「すみません もう一度言っていただけますか?」
(リセットを選択)「嫌です! 私は嫌です! オーナーと離れたくないです! 私を……私を捨てないでください! 未熟というならば、もっと修行して強くなります!」
(本当にリセットを選択)「うっ…うう……、くぅ……」
(リセット実行)「Group K2製、MMS-Automaton 神姫 忍者型フブキ、GK06N1 リセット完了、停止します」
はい、無理です。
リセットするの無理でーす。
僕は同じ神姫を二体購入しました。
えぐい商売やでほんま……。
まあ実際は、課金アイテムを使えば好感度はそのままで能力やクラスなどを初期化できる、リストアという機能もあるんですが……この機能だとコアの中にセットしたチップ(能力の成長に影響する)を変更できないため、より高性能なチップを手に入れて使いたい場合はやはりリセットするか、新しく神姫を購入するしかないんですよね。リストアがあるだけまだ有情とも言えますが。
そんなこんなで今までのネトゲでは考えられないくらいホイホイ課金していたバトロンですが、ある時期のアップデートによってコーディネートというシステムが導入されてから、急激にやる気が落ちていってしまいました。
コーディネートは、それぞれの武装に設定された属性を揃えると追加効果を得られるというものですが、逆に三種類以上のコーディネートを混在させるとペナルティが発生してしまうのです。
このシステムが実装される以前は性能の高い武装を買って装備させればオッケーという単純な形だったため、僕のハウリンはめちゃくちゃなコーディネートになっていました。これをしっかりしたコーディネートにするためには、追加で武装を買うしかなく……そしてこれまでに買った武装の使い道は限定され……なんだかなあという気持ちになって、ゲームから遠ざかってしまったのでした。
課金前提、育成の難しさ、プレイヤー同士の読み合い必須というハードルの高さのためか、初心者が参入しにくかったのでしょうか。2011年10月31日にバトロンはサービスを終了しました。
僕が遊んでいた期間はそれほど長くはありませんでしたが、今で言うソシャゲに近い形態のゲームの中で、これほど熱中して楽しませてもらったものは他にありませんでした。
後にPSPで『武装神姫バトルマスターズ』というゲームも発売され、こちらでも楽しませてもらいました。もちろん犬型ハウリンをメインで使いましたよ。
余談ですが、『FFXIV 光のお父さん』の故マイディー氏もバトロンというか武装神姫フィギュアのファンだったらしく、ブログに記事が残っています。神姫愛あふれる記事なので、興味があればこちらも読んでみてはいかがでしょうか。
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