『タワー オブ アイオン』

 タワー オブ アイオン

 運営元 エヌ・シー・ジャパン

 運営開始日 2009年7月17日

 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


 アイオンをプレイすることになったのは、職場の同僚に誘われたのがきっかけでした。

 ボイスチャットで喋りながらネトゲをするという楽しみ方を知った初めてのゲームであり、今は離れてしまった同僚たちとの懐かしい思い出の始まりでもあります。

 この時期からしばらくの間は、様々なネトゲをこの同僚たちと一緒に遊ぶことになります。


 このゲームは、キャラクター作成時に天族か魔族かを選択します。

 それぞれの種族は別々の世界で冒険することになるため、普段は出会うことはありませんが、時々「時空の亀裂」という入り口が開き、それを通じて敵の世界に侵入することができます。また、マッチングによって敵の種族と一対一で戦えるコンテンツや、両方の種族が入り乱れるマップなどが用意されています。


 アイオンに触れてまず驚いたのが、キャラメイクの柔軟さでした。

 キャラメイクの自由度という点では完美もかなりのものでしたが、アイオンは身長や体型を大きく変更することができ、太ったキャラや頭身が低いキャラを作成できるのが素晴らしかったです。ボイスもいくつかの中から選べるのが良かったですね。

 僕と同僚たちは揃ってロリキャラを作り(ネトゲで操作するアバターは可愛ければ可愛いほど良いという信念が一致していたので)人気だった天族で始めました。

 クラス(職業)は4つの系統と、それぞれから二つに派生するものがあり、僕は精霊を召喚して戦うスピリットウィングというクラスにしました。小さい少女がでかい召喚物で戦う……完全に正解の組み合わせです。

 このゲームは後半になるにつれて対モブ戦が厳しくなっていくというパーティ推奨なバランスなんですが、スピリットウィングは前衛の精霊と後衛の自分で擬似的なペアとして戦えるため、比較的ソロがやりやすいのも性に合っていました。常に同僚たちと一緒に遊べる訳ではなかったので……。


 面白かったのが、戦闘時にキャラが喋る言葉です。

 掛け声などのボイスが付いているのはネトゲではそれほど珍しくはないと思いますが、アイオンではそれに加えてスキルを詠唱する時などにオリジナルの言語で喋ります。これが新鮮で楽しいし、世界観を感じられてとても良かった。同じスピリットウィングでも、天族と魔族では言語が違うため、詠唱の言葉も違います。PvPをやっていると相手の声も聞こえてくるので、そのあたりの違いを感じられるのも楽しい部分でしたね。

 ちなみに僕は野中藍さんのボイスを選んでいたので、戦闘が楽しくて仕方ありませんでした。


 全てのクラスに「ウィング」の名が付いている通り、アイオンでは天族魔族どちらも背中に翼が生えており、空を飛ぶことができます。

 とは言え完美のように無制限に飛行することはできず、飛行可能エリアでスタミナが許す限り、という制限が付きます。

 そのため基本的には地上を徒歩で移動することになります。(騎乗ペットが実装されたのは、僕がアイオンを辞める少し前くらいでした)

 アビスという両方の種族が入れるPvPエリアは浮島が点々としていて広大な地面はないというマップだったので、それなりに飛行を使う機会はありましたが……トータルでは飛行システムに対する印象は薄かったように思います。


 ゲームを始めてしばらくはレベルを上げたりストーリーを進めたりと忙しいのですが、徐々に慣れてくると刺激が欲しくなるもの。

 そのうち僕たちは時空の亀裂を通って敵の世界に侵入する遊びを始めました。

 全く知らない景色に感動しつつ、敵の魔族に見つからないかビクビクしながら歩き回ったり、あるいはソロで歩いている魔族を見つけて襲いかかったり。

 レベルが同じくらいかなという敵を見つけて攻撃を仕掛けたはいいものの、決着がつかず長時間戦い続けた挙げ句高レベルの魔族に見つかってやられる、なんてこともありました。

 時には天族こちら側のマップに侵入した魔族を追いかけ回したり、明らかにレベルの違う魔族から逃げ回ったり……それまでに体験したネトゲとは一味違う刺激を大いに味わうことができました。


 アイオンに誘ってくれた同僚のメインキャラが所属していたギルドに入れてもらい、高難度のマップやダンジョンを攻略する(アイオンではダンジョン以外のマップでもエリートモブが大勢いてソロでは進められない場所が結構ある)のは楽しかったし、とても助かりました。装備にこだわったキャラを可愛いと言ってもらえた時は嬉しかったなあ……。


 そういえば印象に残っているイベントが一つありました。

 イベント用の戦車みたいなやつに乗り込み、敵の村に乗り込んでイベントボスを倒すというものです。

 戦車の性能は異常に高く、砲撃一発でモブを即死させられるし、イベント用に特別に湧くダンジョンボスもタイマンで倒せるくらいです。

 そんな戦車に乗り込んだプレイヤーたちがぞろぞろと列をなして村に攻め込み、イベント対象ではない普通のモブをついでに虐殺していく様子は最高に野蛮な感じがして楽しかったですね……ボスも湧きまくるのでレアな装備を取り放題でお祭り騒ぎでした。


 そんなこんなで楽しんでいたアイオンですが、引退する時はあっという間でした。

 というのも、このゲームは基本無料ではなく月額課金制なのです。

 少しずつイン率が下がっていっても無料なら時折顔を出すこともできますが、月額課金ではそれが切れてしまえば後はもう……という訳です。

 リアルでの知り合いと一緒にやっていると、お互いにそろそろゲームに飽きてきたなという感じがよく分かるので、じゃあ次は何のゲームをやろうか、という流れになっていきます。

 そうして僕たちはアイオンから卒業しました。

 ちょっと難度が高いけど仲間がいれば楽しめる、いいゲームでした。


 アイオンは最近クラシックサービスというのを始めたらしく(最近と言っても2021年の7月ですが)サービス初期の環境を再現して、当時を知るプレイヤーの復帰を呼びかけるという試みをしているらしいです。

 きちんと遊ぶにはやはり月額課金が必要みたいですが……一応無料でもそれなりに遊ぶことはできるようです。うーん、ちょっと気になる。

 こうして記事を書いていると、そのゲームについて色々と調べているうちに少しだけ里帰りしたくなっちゃうんですよね。

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