『パンドラサーガ』

 パンドラサーガ

 運営元 ウィローエンターテイメント

 運営開始日 2008年2月21日

 (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)


 国産MMORPG! と大々的に告知され注目を集めたゲーム、パンドラサーガ。

 このゲームとの出会いは、前回の完美世界を遊んでいる時に誰かがチャットで喋っているのを見て……という、どこかで見たようなパターンです。


 ゲームシステムとしてはあまり目新しいものはなく、完美のようにオープンワールドではないし飛んだり泳いだりできるわけでもないのですが、グラフィックは今見ても十分に綺麗で、独自の世界観を作り上げていました。

 人間を始めとする六つの種族があり、種族に関係なく職業を選べます。

 僕が最初に作ったのはマイリーンという、女性しかいない種族のナイトでしたが、ナイトという職業自体があまりしっくりこなかったので、すぐに別のキャラを作りました。

 このゲームでは色々なキャラを作ったのですが、最終的にメインとなったのは、エンキドゥという大男みたいな種族の聖職者系統(から転職してモンク)でした。


 戦闘は基本的には敵をタゲって通常攻撃したりスキルを打ったりする形なんですが、この通常攻撃が二種類あって、敵をタゲってない状態でもブンブン武器を振り回すことができます。これは後に主流になっていくノンタゲ方式の先駆けみたいな感じで、擬似的にですが回避スキル(バックステップ。これを使用すると一瞬だけ回避が大幅に上がる)も実装されており、時代を先取りしていた感がありました。


 パンドラは、対人戦にウェイトを置いているゲームでした。

 ストーリーを進めていくと三つの国家のうちどれかに所属できるようになり、国家間で争うような形になります。

 緑豊かな平原にある聖フェルシュタイン王国、通称『王国』。

 山岳地帯に位置する北方氏族連合ヴァリク、通称『連合』。

 砂漠に囲まれたラトゥーガ帝国、通称『帝国』。

 僕は見た感じのフィーリングで王国に入りました。

 そこでクラン(ギルドみたいなもの)に入り、別キャラを作っても最後までずっと王国民でした。


 先述した通り、このゲームは対人戦がメインです。

 毎日ポイントを貰える演習(4対4、あるいは8対8のランダムマッチング)や、三国同時に最大150人が争う大規模戦争、どの国家でも入れるPK可能な未開区域など、とにかく対人戦が付いて回ります。

 未開区域は強いMOBが出るためレベル上げをするのに重要な場所なんですが、だいたいパーティを組んでMOBを狩っていると突然来る訳です。敵国のパーティが。

 奇襲されて全滅した時の悔しさはなかなかのもので、時には萎えることもあるのですが、逆にこっちが先に敵パーティを見つけて襲いかかる時の蛮族感は最高に楽しいんですよね……。

 時には拠点(未開区域に入ってすぐの場所。死んだ時の復活地点でもあり、強いNPCが守っている)を完全に占拠されたり、クソでかいフィールドボスを連れてこられたり、狩りという当初の目的を完全に忘れて大規模な抗争に発展したりと、なかなかカオスで良かったです。

 完美では久しく忘れていた対人戦の熱を思い出し、楽しく遊べました。


 しかし、しばらくすると公式ショップで武器が販売されるようになります。

 それらのシリーズ武器はゲーム内で手に入る一番強い武器とほぼ同等の強さですが、強化値によって特別な効果が現れるといったもので、この武器をどれだけ強化できるかで強さが決まってしまうようになってきました。

 パンドラの強化システムはかなり厳しいもので、強化に失敗すればそれが課金武器であろうと容赦なく消滅します。そして当然、強化の成功率を上げるアイテムや、消滅を防ぐアイテムも課金です。

 こうして完全なるPay to Win(金を払った者が勝つ)が成立してしまい……お金をつぎ込むほどの情熱を持てなかった僕のモチベーションは一気に下がっていき、やがてフェードアウトしていきました。


 余談ですが当時所属していたクランのマスターはお金をかけることを厭わない人で、パンドラにもガンガン課金してブンブン剣を振り回し、その様子をブログで公開していました。僕はこのブログを読むのが結構好きで、辞めた後もちょくちょく見に行っていました。最終的に彼はFF14に辿り着いたようですが……。


 これを書くにあたって久しぶりにパンドラサーガについて調べた所、なんと2020年までサービスを続けていたようです。しかしその年の4月、一切の事前告知もなく突如としてサーバーに接続できない状態になり、事実上のサービス終了ということになったとか……。

 なんとも寂しい幕切れですが、更に調べてみると、どうやらロシアのサーバーでは未だに遊ぶことができるとかなんとか。

 現在でも日本のプレイヤーは頑張ってロシア語を翻訳しながら、王国に集まって遊んでいるそうです。

 そこまでの熱意を持った人たちにこのゲームは愛されていたのかと思うと、僅かな時間ではありますがこのパンドラを楽しませてもらった身としては、嬉しいような感心するような不思議な気持ちになりました。


 もしパンドラサーガに興味がある方は、なかなかハードルが高いですが、ロシアサーバーにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。僕はやりませんが……

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