私に出会ってくれて、本当にありがとうございました。

第7話

　……

　……

　……

　……ありがとうございます。思いっきり泣いてスッキリしました。

　……そろそろ行きますね、先輩。私の愚痴に付き合っていただいて、ありがとうございました。

　これからも、頑張ります。

　……

　先輩なら、頑張らなくてもいいって言うかな……

　これからも、なんとなく生きようと思います。頑張らない自分も、認めてあげようと思います。

　えーっと……今日は伝えたい事が2つあったんです。

　1つは、私があなたのことが好きだということ。これはもう、さっき伝えましたよね。

　大サービスなので、もう一度だけ言ってあげます。

　忘れないでくださいね。私が好きなのは、生涯あなた1人です。

　……こんなこと言ったら、先輩は怒りますか？　死んだ人間は忘れろって、言いますか？　それとも、それも答えの1つだって言ってくれますか？

　わからないです……あなたの思考のトレースは難しい……

　ということなので、違うことも言っておきましょう。

　あなたなんかより良い男性を見つけて、幸せになってやります。先輩のことなんて、5年も経てば覚えてないです。悔しかったら、私の恋人になってください。

　……なんだこれ……未練タラタラだなぁ……

　今のナシ。忘れてください。

　それから、もう1つだけ伝えたい事があります。

　……

　もう、私は大丈夫ですよ。

　……さっきあんなに泣いたあとだと、説得力がないかもしれませんけど……

　私はもう、あなたがいなくても生きていけます。だから、心配しないで眠ってください。

　いつかまた先輩に会いに来るときは、もう泣きません。ヘラヘラ笑ってタメ口で、あなたのことを笑い話にしてやります。

　いつか先輩に会いにいったら、その時は……そうですね。何も言わずに一緒にいましょう。出会ったあの頃のように。

　……

　……

　先輩……本当にありがとうございました。

　先輩のおかげで、私は長生きしました。友達だってできました。楽しいことも、たくさん体験しました。

　全部、先輩のおかげです。あの時、あの場所で、私が死んでいたら、この数年間はなかったんですから。

　……

　さて……ちょっと最後はしんみりしちゃいましたね。笑ってお別れするつもりだったんですけど……なかなか難しいですね。

　それでは先輩。また会う日まで。今度は友達も連れてきますよ。なんだか友達も、先輩に興味を持ったみたいで。

　その友達は、頭の良い人なんです。先輩と会話できていれば、面白い会話が生まれていたでしょうね。

　……

　……

　やっぱりもうちょっと……ここにいようかな……でも、他の人が来たら迷惑ですよね……

　……

　……

　……

　うん。そろそろ帰ります。次に会うのは……また数年後ですかね。良い女になって現れるので、楽しみに待っていてください。

　さようなら先輩。私に出会ってくれて、本当にありがとうございました。