第5話
キミも知ってるように、私は今大学に通っているんだよ。
そこで、どうしても相性が悪い先生がいてねぇ……必修科目を持っている人だから、どうしても出会ってしまう。
あの先生はなんだか……私のことが嫌いみたいでね。何かと絡んでくるのさ。言うこと聞かなければ単位はやらん、みたいな脅しも使ってくるし……
なんであんなのが教師やってるんだろうね。キミみたいな人が教師なら、良かったのに。
……キミが教師なら、それはそれで問題が起きそうだね……面白そうではあるけれど。
まぁこれからも、あの先生とは出会うだろうけど、なんとなく逃げていこうと思う。立ち向かって悪事を暴いてやろうなんて熱血キャラでもないからね。
キミが私の大学にいたら、どうしていただろうね……
それからね……友達に誘われて、人生初のボウリングというものをやりました。アレだよ。鉄球投げるゲーム。
結構面白かったよ。まぁ失敗してばかりだったけど。悔しかったから、今度は練習してから行こうと思います。
……あ、しまった。間違えた。今度は練習してから行こうと思うよ。
それで……さっきも言った友達が、犬を飼っているんだ。はじめて犬という生き物をなでたよ。フワフワしてて、大人しくて、とてもかわいかった。
私も動物飼おうかなぁ……でも、私に育てることができるかな……不安だから、もうちょっと考える。
大学に入学して、パソコンというもの買ったよ。レポートとかはパソコンで作成するんだってさ。最初の頃はまったく使いこなせてなかったけど、友達に教えてもらって、なんとなく使えるようになりました。
あれは面白い機械だね。キミも興味を示すんじゃないかな……って、どうだろう?
考えてみれば、私はキミのこと、あんまり知らないな……もっともっと、あなたという人間を知りたかった。
……キミは私のことをどう思ってたのかな……私がキミのこと好きだったのは気づいてた? 気づいてないんだろうね……恋愛話はまったく興味なさそうだったもんね……
……せっかくだから、ここで伝えちゃうね。このまま未練タラタラってのも嫌だし。
私は、キミのことが好きだったよ。キミのことが好きだよ。これからも、キミのことが好きだと思うよ。
あの時は伝えられなかった言葉。自分自身でもよくわかってなかった私の感情。
今なら言えます。私は先輩が好きだった。私は先輩が好きだ。これからも、先輩のことが好きだと思います。
ああ……もう……難しいですね。タメ口で話すのって……もういいか……
ああ、そうだ。お花を買ってきました。ヒガンバナ。白いヒガンバナ。あなたが好きだった花です。
買ってから知ったんですけど……お供えの花としては、
あんまり良くないみたいですね……だから写真を撮ってきました。持ってきたのは、菊の花です。赤、白、黄色……これもキレイですよ。
ヒガンバナのほうは、写真で楽しんでください。
先輩……えっと……
……もう一度……もう一度だけでいいから先輩に会いたい。なんて言ったら、怒りますか?
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