第3話
元引きこもりで、元いじめられっ子の私。そんな私の大学生活。
大学というのは、意外と居心地の良い場所だったよ。小学校とか中学校とか、そっちのほうがよっぽど残酷だった。
小学校時代は、クラスメイトと違う趣味を持ってるだけでいじめられたからね。中学時代もそうだった。私の趣味が変わっているというのは自覚してるけどさ……
大学はそういうの受け入れてくれたよ。私の趣味を受け入れてくれる人が多くなった。それどころか同じ趣味を持っている人も多くてね。
まぁ、同じ趣味を持った人が多そうだったから、あの大学を選んだんだけどね。
友達もできたんだ。ありのままの私を受け入れてくれる友達。
だから、私も友達のことを受け入れるよ。キミが私のことを受け入れてくれたみたいに、優しく接する。そう決意してる。……難しいけれどね……どうしても感情的になってしまうこともある。
この間もケンカしちゃってねぇ……原因は小さなことだったけど、お互い意地になっちゃって……
それで、謝ったんだ。私が悪かったからね。
そうしたら許してくれた。友達も私に謝って……まぁお互い悪かったってことで、ケンカは終わりを告げたよ。
それから、一生友達でいようねって約束した。お婆さんになっても、友達。
……話題がなくなってきたなぁ……
本当に……キミに会ったら喋りたいことが、大量にあったはずなのに……
……
ああ……そうそう。忘れてた。
はい、りんご。キミはりんごが好きだったから、持ってきてあげたよ。
あとは、キミが美味しいって褒めてくれたパンケーキも作ってきました。あの頃より美味しく作れたと思うから、味わって食べること。
……パンケーキで思い出したよ……当時私が作ったパンケーキは、本当は美味しくなかったでしょ?
思い返してみれば失敗ばっかりしてた。いろいろ分量も間違ってたし、何より焼きすぎて黒焦げだったし。美味しいわけないよ、あんなの。
……なんで美味しそうに食べれくれたの……正直にマズイって言ってくれればよかったのに……
おかげさまで、私の趣味は料理になっちゃったよ。どうしてくれるの。友達と集まったら何か作らされて大変だよ。
……
なーんて。冗談冗談。あの時キミが私の料理を褒めてくれたから、私は料理を続けた。そして趣味になった。その趣味のおかげで、友達が笑顔になってくれた。
昔は食事なんてコンビニで買ってくればいいと思ってたからね……その当時の私に今の私の料理を見せたら、驚くだろうなぁ……
それでね……えっと……そうだ。友達から桃をもらってきたんだ。
キミの話を友達にしたらね、お礼を言いたいって。それで友達は桃が好きだから、一番美味しい桃を選んだってさ。
これも味わって食べなよ。私の友達イチオシの品だからね。
……
私自身もいろいろ持ってきたし、友達からもいろいろもらったし……なんだか荷物が多くなってしまった……ちゃんと掃除はして帰るからさ。心配しないで。
それから……大学生活といえば……
じゃーん。これなんだと思う? 可愛らしいお手紙でしょ?
なんと私は大学生活中に……ラブレターを貰っちゃいました。どうだ凄いだろ。
これを送ってくれたのは、1つ年下の後輩くんでした。講義で一緒になって、仲良くなったんだ。恋心を抱かれているとは、知らなかったけどね。
付き合ってください、って言われた。彼は凄く緊張していた。声も震えていたし、身体も震えてた。
返答は……とても迷ったよ。彼は良い人だし、私のことを受け入れてくれる人だと思う。私にはもったいないくらい。
受けてしまおうかとも思った。キミには、私のことをほったらかしにした罰だって言おうかとも思った。
でも……断っちゃった……彼には悪いことしたな……
私は……キミが忘れられない。ずっとキミのこと考えてた。会えなくなって、さらにキミのことが好きになった。
……
ああ……もう泣きそうだよ。この話やーめた。とにかく、私は意外にもモテた時期があるのさ。悔しかったら私のこと抱きしめて、愛の言葉でも囁いてみろってんだ。
……
なーんてね。とにかく、私の大学生活は充実してるよ。告白してくれた彼とは、ちょっと疎遠になってしまったけど……人間関係は変化していくものだから。
……
そうだねぇ……じゃあ次は、私の家族関係について話そうか。キミが心配してそうな事柄だからね。
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