第1話
〜あらすじ後〜
83回、この数字は俺がこのオズマサール学園に来て告白をした回数だ。
83回、この数字は俺がこのオズマサール学園に来て告白をしてフラれた回数だ。
「俺と付き合ってください」
「魔力無い人と付き合うとかありえないから」
そうこれで回数は共に84回に数を増やした。
84ってキリが悪いから早く16人にも告白して100にしたいなぁ。
***
「ぶちょーー俺を慰めてください!!」
俺はドアをガラガラと開けて教室に勢いよく入ってくるなり椅子に座って本を読んでいる人に抱きついた。
「うぉ!どうしたの?今日もフラれたの?」
俺が今抱きついたこの人はシューヤさんだ。
俺はこのシューヤさんの事を好いているし、尊敬もしているし、慕っている。
俺は魔力が無いため実技の授業が受けれないから次の学年に上がれるか分からないと、このオズマサール学園に入って二週間で言われた。
だから救済処置として部活に入ったら実技の成績は免除してくれると言われた。
しかし魔力の無い俺を入れてくれる部活はなく、唯一俺を受け入れてくれた部活、このボランティア部に入部させてもらえた。
そのボランティア部の部長がシューヤさんだ。
ちなみに部長は二年生だ。
「ぶちょーー俺なんでこんなにモテないんですか?」
「大丈夫だよ、みんなジンの魅力に気づいてないだけだから」
「ぶ…、ぶちょーー!!」
部長はこんな俺でも優しく諭してくれるとても素晴らしい人だ。
だけどこんな優しい部長だけどこう見えてとても強い。
オズマサール学園には学年ごとに序列があり、序列がその者の強さを表すことになる。
部長は序列がなんと3位で、序列が一桁の人は学園中での有名人だ。
ちなみに俺は魔力が無いから序列なんてものはない。
「おい、シューヤさんが困ってるだろ」
今俺に注意したのは同じ一年生のレンだ。
こいつも俺と同じで高等部から入ってきた同級生、なのに立場が全く違う。
こいつは魔力を人一倍持っていて、この学園に入っていきなり序列5位になり、いずれは1位になるのではないかと期待されている。
だから学園の奴らの俺を見る目とシューヤを見る目では天と地ほどの差がある。
まぁ一部の奴らからは嫌われているらしいから、もっともっと広がっていってほしい。
一部というより一部の男の奴から嫌われている理由はモテるところだ。
こいつは入学初日に学年首席のミリヤに目をつけられて決闘をしたらしい。
それで、なんかいい感じの戦いになってお互いが認め合う展開になって最後はラッキースケベが起きていた。
そこからミリヤと一緒にいるところを何度も見かけている。
何だよそのありきたりだが、羨ましい展開は!ライトノベルかよ!俺なんかもう84回告白してるんだぞ!だからお前は一部の男から嫌われるんだよ!
ミリヤは強いし、綺麗だから男の間では人気が凄かったからレンへのヘイトがすごい。
まぁそんなお前より俺の方が嫌われているけどな。
俺は年上とか年下とか男とか女とか関係無しに嫌われているからな。
嫌われ者のスーパースター過ぎるだろ俺。
「別にいいだろ」
「良くねぇよ」
コイツはシューヤさんに憧れていて、魔力が無くて弱い奴なんかが部長に近づくのを嫌がっている。
俺もこいつのことが大嫌いだ。
何かと俺を下に見てくるし、目が合えば睨んでくるし、学園では有名人だし、何より許せないのがモテることだ。
どんなに下に見てくることも、睨んでくるのも、有名でも、許してやるが、モテることだけは許すことが出来ない。
何で俺がモテなくて、こんなクソみたいな奴がモテるんだよ!
こんなの不平等だ!
「まぁまぁ二人とも落ち着いて」
喧嘩しそうな雰囲気を感じ取った部長は俺とクソ野郎を宥める。
「はーい」
「分かりました」
レンは部長に憧れているからレンは部長に馴れ馴れしいことはしない。
だから、部長に馴れ馴れしい俺が許せないのだろう。
コンコン
ノックの音が教室中に響く。
誰だ?ボランティア部に依頼なんて滅多にこないのに誰がノックをしたんだ?
まだノックして入って来た人物なんか俺が女子に告白し過ぎていい加減にしろって言いに来た教師しかいない。
「入っていいですか?」
ん?女子の声?
「どうぞ」
部長が入ることを促し入ってきた。
…へ?
俺の目の前にいたのは赤髪ロングの美女だった。
ズドーンッ!!
俺の頭のてっぺんから足のつま先に稲妻が走った。
一目惚れだ、綺麗すぎる。
俺はこの娘と結婚するんだ。
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