シニア学②
自分が年寄りになるということは、実際になってみないとわからない。どんな事でも体験しないとわからないーというのと同じだ。病気でも、心焦がす恋愛でも、思春期の不安定さも、青春の輝きも、子育ての大変さも、仕事の過酷さも…。
ところが、そんな人生の水も甘いも体験してきたはずの人生の達人であるはずのシニアも、実際に自分が高齢者という年齢の弱者になった時、自分の体力や気力に自信がなくなり、やがて来るはずの「死・人生の終わり」の扉が近づくのに気付いた時、死別、病、別れによる人間関係の激変、仕事を終えた安堵感の後に、することがなくなった空虚感と暇。
子どもはそれぞれ自立して、親を頼ることもほぼなくなる。孫の世話も自分の身体を使って実際に出産し、子育てという大きな仕事の第一責任者ではない。あくまでもそれを見守り多少の手助けをし、必要な時にはアドバイスや経験を語ることくらいだ。人生の仕事や役割や愛を果たして来て、人生というケーキの仕上げももう少しーと言った状態がシニアなのだろう。そういう人生の大きな転換期がシニア期だ。それに慣れるのには時間が要る。何せ、これまでせっせせっせと山頂を目指して登山して来た人生なのだから。
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