シニア学①

年を取るということは実際に自分が70才という年齢になってみてなかなか大変なことなのだと気付いた。赤ん坊が誕生して成長し青年ー大人へとなっていくのを反対の時間軸で生きていくというなかなかシュールな体験だ。


若さも美貌も、仕事も、親しい人・友人知人もまるで歯が欠けていくように失っていくのだ。その淋しさと老い・病・いつか必ず訪れる死への不安がやってくる。しかし、立派な大人になっている自分はそれをなかなか誰かに訴えるという手段が見つからない。


一言で言えば、初めての体験で戸惑うのだ。自分への自信も誇りもある、しかしまるで幼児のような不安もあるのだ。親の看取りを沢山体験した私でさえ、やはり自分の事となるとまるで違う体験だ。人生初の北極旅行のようなものだ。

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