定年退職と戦争
27才で独身のいちサラリーマンだった父が、突如何の戦闘訓練もないまま、1943年(昭和18年)に召集令状を受け取り、盛大な壮行会を家族・近所で開いてもらい、戦争に駆り出された。
横須賀から船に乗り、小笠和諸島の父島に兵士として赴いた。そして、戦争が終わり、帰還し、元の職場に戻り、そして退職、転職をし、当時大きな話題となった労働争議にも加わった後、戦後の日本を生きてきた父。
共働きの母と、自身も会社勤めをしながら、兄と私の二入の子どもを育ててくれた。あの時代を生きた日本人は全員過酷な時代を生きてきて、敗戦後の混乱と復興を生き延びてきたのだ。
私はと言えば、戦争が終わり日本が独立国として国際社会に戻る事の出来た7年後の1952年生まれで、戦争の悲惨さは教科書で習った歴史上の話としてしか長い間理解出来なかった。70才になって、そしてウクライナ・ロシア戦で戦争というものが身近に起こるという事がようやく分かってきたというくらいだ。現実の恐怖というものはある日突然やって来るのだ。今はそう感じることくらいしか出来ない。
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