過去との出会い

2022年から2023年への年末年始にわたり大断捨離をした。そこで様々な過去の自分に再会した。30年前に挫折し放置しまま編みかけの、ちびまる子ちゃんの編み込みセーター。40年も前の年賀状や手紙類。セピア色の中にいたその頃の自分が、感情込みでフルカラーで蘇った。生き生きと遊び、職場仲間や友人たちと交流し、生きていた自分がすぐ隣にいるかのようだ。


そに頃の日本は戦後成長期の真っ只中だった。まるで上昇中にエスカレーターに乗っているような時代だった。まるでその成長は永遠に続くかのように思われた時代だった。人々は働き、その収入で様々な物を買い、そして家の中は物で溢れかえっていった。その残骸たちがユキの家に今ある。


ITの創世記だった。会社の一室には電算機室があった。同時にまだ和文タイピストがいて、電話交換手室があった。外部からの電話はいったん電車交換手が取り次いで各部署に繋がれた。私用の男性からの電話も取り次いでくれたのだ。いま思えば少し恥ずかしい。でも、それしかその頃は手段がなかった。今のようにダイレクトに繋がる事が難しい時代だった。家に電話すれば、家族が出て会話の内容さえ親に筒抜けだった。あまり長電話して叱られた事も度々だった。

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