年代をまたぐ

昨日ユキは70才になった。誰もが新しい年代を迎えるのは少しの戸惑いとショックを覚える。取り敢えずまずまずの健康でこの年を迎えられたことに感謝した。70年間生きたという重い実感がフツフツとユキの心と体は感じ始めている。


20才になった時から、30、40、50、60代となった自分への違和感と恐れと不安と期待を感じてきた。しかし、今振り返れば、それぞの年代を困難と勇気と愛によって乗り越えてきたのだ。そして今の年令に達した。


50才になる少し前は、大きな衝動と心の揺れで、それまで培ってきた家庭生活をそのままにして放り投げ、次の人生の仕事へと邁進していった。今引っ越し作業の中で、その放り投げた残存物の整理をし、過去の自分に再会しているところだ。


今振り返ると、それはまるで自然界の法則に則って自分の体と心が突き動かされたことを知るのだ。人間とは摩訶不思議ないきもので、その辺のところは他の動物や生物と同じように自分の意思ではない何かに動かされているのだ。



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