老いの困難

老い→年を取ると、それまでになかった新たな人生の課題、困難に直面する。それを乗り越え、更なる年齢を重ねられるかどうか、人生の旅は案外大変なのだ。


老いとは、人生の旅の終わりへの旅支度の時期だ。旅の終わりの荷物整理をしているような感じだ。するべき事をして、挨拶、お別れをして…、その時を迎える準備期間なのだ。荷物の整理や愛の精算、様々なやるべき仕事が山積しているのだ。広げた荷物を整理して、旅立つ準備をしていくのだ。


50才を過ぎた頃から親戚、友人の死の話が少しずつ聞こえてくる。そして70も近くなってくると、同世代の死や病いの知らせが届くようになる。そうやって自分もそう遠からず、この世との別れが確実にやってくることを実感し、悟っていくようになるのだ。それが人生というものだ。20代の若い頃、自分の健康と美がいつまでも続くものと思っていた…けれど…。それと同じだ。人間はいくら知識として知っていることでも、実際に体験しなくては本当には分からないというある意味愚かな生き物なのだ。


それにしても限りがあると思えば、今の何気ない毎日がこんなに楽しく価値のあるものなのだと、気付けるというありがたいことだってある。ましてやそこそこの貯蓄があり年金を受給し、自分のしたいことだけができ、様々な体験から得た結果の諦めや悟りの中で生きていくというのも、これは白髪やシワやたるみと引き換えに得た喜び・幸福なのかもしれない。

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