革命砦の料理人

【人物紹介②】

【フェリア・エンディアラ】

　ヒナが来るまでは砦唯一の女性だった、翼族の少女。実年齢は不明だが、外見は15歳ほどである。空色の髪と目、翼を持ち、言動が優しく上品な少女である。しかしヴェルクには若干当たりが強い。

　翼族の女性は一般的に行動的なタイプが多いと言われるが、フェリアは臆病で慎重な気質をしている。しかし吸血鬼の魔族青年を助けようとするなど、こうと決めたら引かない気の強さもあるようだ。

　ミスティアとは性格が正反対ながら仲が良く、姉妹の契りを交わしている。吸血鬼魔族のシャイルには深い信頼と好意を寄せているらしい。

【シャイル・シャドール】

　魔族狩りの襲撃に遭（あ）い瀕死の状態で砦に運び込まれた、吸血鬼の魔族男性。深紅の髪と目、色白で細身という綺麗め系の若者で、外見年齢は20歳前後である。

　礼儀正しく都会的な気質ながら、砦の人間たちに疎（うと）まれようとフェリアへの好意を隠さない強（したた）かさもある。拾われた直後のルエル村奪還戦で実力を示し、以降はそれなりにうまく立ち回っているらしい。

　襲撃前には工業都市バルクスの施設で育ち、住んでおり、アライグマ姉妹は施設つながりの知己。趣味や好みが重ならない友としてそれなりに仲は良い。種族的な軋轢（あつれき）に阻まれない限りは、器用で世渡りの上手な好青年である。

【ミスティア・ローライド】

　ルエル村戦以降に砦入りした、村長（むらおさ）の妹。濃青の目に、ラベンダー色の翼と髪を持つ翼族の女性で、外見年齢は19歳ほど。外交的で行動的、直情で純情なぼくっ娘。美人だが妹気質なためか、ダズリーからは成人していることを疑われているらしい。

　ヴェルクに対しまっすぐな恋心を向けているが、付き合うまでは至っていない。兄と仲が良く、フェリアやヒナを妹扱いして可愛がり、砦の男性陣とも仲が良いムードメーカー。

　時々暴走する。狩りの名手で弓が得意。恋の鳥による御利益を本気で信じているようだ。ダズリーのことは兄とか母とか身内意識で見ているらしい。

【ローウェル・ローライド】

　ルエル村の元村長（むらおさ）で、ミスティアの兄。濃青の目、藍色の長髪、薄藍の翼を持つ翼族男性である。外見年齢は30歳前後と思われるが、中性的な美貌のせいで性別年齢不詳にも見える。

　恋愛的な意味では女性の影が全く見当たらない、妹至上主義。溺愛し甘やかしているものの、妹の友人関係や恋愛関係については干渉しない。砦入りしてから妹が妹を増やしていく状況に少し戸惑いもあるらしい。

　砦随一（ずいいち）の精霊使いであるが、本人の興味は商売に向いている。人脈も資産も多く抱え持つ、砦の物流に関して要（かなめ）となる存在である。

【ガフティ・ライザルツ】

　隣大陸から渡ってきた元百人隊長の人間男性。剃髪（ていはつ）頭に飴（あめ）色の三白眼という強烈な風貌だが、面倒見が良くて気も利く兄貴気質の25歳である。亡き友が和国出身だったため、和国の文化に明るい。（彼の故国は和国との国交もあるという）

　ヒナとは和国つながりで話が合うらしく、ダズリーにとっても話しやすい人物。誰とでも適度な距離感で打ち解けるためか、発生してもいない恋愛対象（フラグ）として勘違いされやすい。ミスティアの相手しかり、ヒナの相手しかり、と罪な男である。当人は特に意中の相手がいるというわけでもないようだ。