第2話

今日の回診が終わって僕は家に戻ってきている。


帰ってきたら…、やっぱりビールだ。

今日は暑かったし、大きいものを買ってきた。


今日、結衣に好きなものを聞かれたときは隠してたが、やっぱりいちばん好きなものはお酒だ。

これは誰にも譲れない。


僕はマンションに住んでいて、コンビニが近くにある。


特に変な子もいなくてスムーズに進んで良かった。


それにしても結衣のことで引っかかる事がある。

その引っ掛かりの正体は多分結衣の振る舞いだ。


あの子は記憶喪失だとカルテに書いてあったが、本当に記憶喪失なのだろうか。

普通、記憶喪失の人はボーッとしていたりするけれど、結衣にはその特徴はなかった。


結衣は本当に記憶喪失なのだろうか?


でもあんなに正直そうな子を少しでも疑ったらバチが当たる。

それに結衣はまだ5歳だ、そもそも”記憶喪失”という言葉も知らないいまたは医者に言われるまで知らなかっただろう。

結衣が記憶喪失ではないわけがない。


自分に言い聞かせるが疑惑は大きくなるばかりだ。

やっぱり、何か裏で手を入れられてしまったのでは?


一流の脳外科医なら脳を刺激し、記憶を消すことも可能だ。

でもそれをするメリットはなんだろう…。


もし、本人が望んだとしても、そう簡単に受けられる手術じゃない。

よっぽどお金持ちじゃなければ…。


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