第3話
「えぇ、いつもの所よ。本日もいなかったわ、素敵な男性は。いつになったら私の目の前に現れてくれるのかしら?」
「さぁ、いつでしょうねぇ。」
お姉さまと呼ばれた人魚が応えた。
「いーなー、私も人間の姿になれるなら行くのにー、ぶー。」
アルミナは不貞腐れた様子だ。
「あら、もう少ししたらなれるわよ。」
岩に座っていた人魚が言う。
「私も。長女でなければ行くのに。」
「次女の特権ね。この絵本のお話のように、私も、人間の男性に恋をするの。」
岩に座っていた人魚が、うっとりと、絵本を抱いている。
「それに、お姉さまは、もうご結婚相手が決まってらっしゃるのでしょう?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。