第22話
『まだ足りぬ。次は貴様だ。小娘』
その言葉を皮切りに
『ふぉっ』
刹那―――髑髏左衛門は目にも止まらぬスピードで腕を振り抜いた。
「速い!」
鞭のように
「カラス!壁!」
私の合図とともに無数のターヤガラスが大群を成し、守りの壁を作る。
ガキイイイイイン!
髑髏左衛門の爪はターヤガラスの初烈風切羽に弾かれた。
私は間一髪で髑髏左衛門の初撃を凌いだのだった。
「危ない……、今のまともにくらったら私、死んでた」
心臓の音がどんどん上がっていく。
心なしか、息使いも少し荒い。
『ふぉっ、やるのお小娘。だが、その様子だとそう何発も耐えれまい。次で終わりにしてやろうぞ』
髑髏左衛門は最高の獲物を見つけたと言わんばかりに、気色の悪い笑みを浮かべた。
それと同時に髑髏左衛門の邪悪な魔力が膨れ上がった。
「アイツ……、さっきよりも格段に……!」
これは死ぬ気で殺らなければヤバいかもしれない。
出し惜しみせず、全力を出すことにしよう!
「いくよ、カラス。アタシに力を!」
私は体内に溜めていた魔力を解放した。
『ふぉっ、無駄じゃその程度の魔力。ワシの力の前にはなす術なしじゃ』
「減らず口もほどほどにね、骸骨さん。痛い目見るのはあなたの方かもよ?」
『ふぉっ、そんな訳なかろう。虚勢ほど己の弱さを露呈させるものはなかろう。滑稽極まりなしじゃ』
「そんなの………、この一撃を受けてから言いなさいよね!集まれ、カラス達!」
私の号令を受けたターヤガラスが一点に集まった。
無数のカラスの群れがアリアの前方で旋回し、やがて巨大なドリル状の塊へと変貌した。
「喰らえ、これが私の全部だ!」
覚悟を決め、私は技を放つ。
「
それは高速回転しながら、髑髏左衛門へと突き進む。
私が従えるターヤガラスを全て攻撃力に変換した最大最強の一撃だ。
これなら……、いくら餓者髑髏だって……。
『ふぉっ、口だけじゃないようじゃのお。どおれ、ワシもちいとばかし試してやろう』
髑髏左衛門はニヤリとほくそ笑み、左手を
『小娘よ。貴様の血と魂……全部寄越せ!』
髑髏左衛門の怨念が、憎悪が、執念が、より増幅され、狂気の如く解き放たれた!
『
作者 たつのおとしごさん
https://kakuyomu.jp/users/tatunoko_s
代表作 「後輩とVtuberやったら何故かカップルチャンネルとして人気が出てしまった」
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