第14話

どうすればいい……







どうすれば……








どうしたら……?











『あーっ! もう! イラつく!』




アリア・ヴァレィは苛立っていた。


彼と一緒に行動している三人の少女を突き止めるのには手間取らなかった。


問題はその後だった。





ようやく仕事に取り掛かったエイルは一向に成果が得られなかった。




少女達はどこにでも居るような普通の子達なのだ。




普通過ぎて特徴がなかった。




例えば、彼女達の誰か一人を殺せば、それが引き金となって他の二人にも影響が出るとか、そんな都合の良いことは起こってくれない。




『いつも通りちゃっちゃと終わらせてくればいいのに』




結局、アリアは拳を握り締めたままエイルの魂を回収する羽目になった。




そして、回収したエイルの魂に、自分の魂の一部をエイルの魂に同化させた。




これで私達は一心同体だ。




アリアはニヤリと笑う。




これならば、エイルが少女たちから得た情報を元にしても、彼女たちを簡単に始末できるだろう。




彼女たちが死ねば、エイルの精神が壊れてしまうかもしれない。




それはそれで面白い展開になりそうな気もするが、今は我慢しよう。




今はまだ。




アリアはニヤつきを抑えられなかった。


さぁ、どうやってあの娘たちを消してあげようかな。







英琉――いや、アリアは焦っていた。




エイルの記憶から得た情報を基に、三人娘を抹殺するための準備をしていたのだが、なかなかうまく行かなかったからだ。




まず、エイルが彼女たちから得た情報を元手に、彼女たちを抹殺する計画を立てた。




しかし、その計画を実行に移す前に、




彼女たち――東海林雪、相田 恵美、森田 玲――に危機が訪れた。




彼女たちの所属する地下アイドルグループが解散の危機に陥ったのである。




エイルが必死になって励ましたが、効果は薄く、むしろ逆効果になってしまったようだ。




このままでは彼女たちの命に関わると判断し、エイルは彼女たちを救うことにした。




そのために、彼女達の秘密を知った上で、それをネタに脅迫することにした。




彼女たちに襲いかかるであろう、肉体的苦痛、精神的苦痛。




それらに耐えられるように、彼女たちの心の準備を整えてあげた。




だが、彼女たちは耐えられなかった。




それどころか、彼女たちは自分たちが襲われている現実を受け入れられずに、逃


避し、自殺を図った。




彼女たちの死によって、世界は救われた。




しかし、エイルは、彼女たちを救えなかったことで心に深い傷を負うことになる。




アリアの心の中に生まれた闇が肥大化していく――――。



作者 よこしゅうさん

https://kakuyomu.jp/users/yokoshu

代表作「想いを伝えられなかった彼女は取り憑く」

https://kakuyomu.jp/works/16816927863126214362

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