20 弄られる体
「──ぐっ……ッ!? ああああ!!」
「なんと……!? まさか彼はッ!?」
赤い血のような地面の上で俺はもがき苦しむ。この世のものとは思えない不思議な不快感。触れられていないのに触れられている。そして俺の
「今すぐ魔力源を断て!!」
「はい!!」
ローブ姿の教師たちが慌てふためき、こぞって綺麗な赤く輝く宝石を砕き始める。それがトリガーとなったのかは分からないが俺の体を弄くりまわす見えない力は俺を離した。
血の気が引く貧血に近しい虚脱感。昨日の気絶に続いてまた俺は気を失うのだとすぐに分かった。
しかしなぜかその瞬間ほど記憶に残る印象は強まる。
俺が見たその気を失う間際の景色には、慌てることなく冷然と持ち場にとどまる男がいた。見えたのは──それだけだった。
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