怪奇SF5⃣

正雄が生まれる前から雨は降っている。高台にある正雄の家でも長靴の足首まで水が来ている。太陽がなくなったわけではないから、暗黒世界ではない。だが、暗鬱とした鉛色の雲の下、モチベーションは高まらない。世界の終末と言われて久しい。だが

世界は終わらず、暗鬱な雨を降らせている。渋谷は巨大な池と化しており、生態系も変わりつつあるという。淡水系のサメやイルカでかいところではクジラがこのあたりでも出没する。サメには出会いたくないがイルカは独自の進化を見せ犬の様にペット化している。野良犬・野良猫・ネズミ等々の小動物は水の中に消え、人類もこの状況にうまく適応していくのだろう?現に今、新生児は流線型の頭に手や足に鰭を持つ者が産まれているという。彼等を人間として扱えるか上級調停会議でも意見が割れてる。形態以外はの人間と変わらないから彼等を進化系と捉える学者がいる。彼等を新人類と呼ぶ。

正雄は登校するべく家を出た。進化したサメは集団で人間の脳を狙う。ティラノサウルスのような牙で頭蓋骨をかみ砕き脳をすする。そして内蔵を食べ骨もかみ砕き後は赤く染まった残滓が残るだけだ。脳を食べろと利口になれる事を知っているのだろう。しかし、サメには天敵がいる頭脳イルカと進化系シャチだ。彼等は人間を仲間と認識していているのだろうか?かつての猫や犬の様にシャチが敵じゃなかったのはありがたい話だ。進化サメの防御の為、進化系シャチを飼うのがステイタスシンボル化している。しかし、サメも怖いが淡水系のイカやタコも怖い。サメと同様に彼等も人間の脳を集団で狙う。利口になりたいのだろう。

イルカやシャチは彼等をエサにしてくれる。たくさんある足を引き裂きそれこそ跡形も残さない。一匹が襲い掛かると彼らは本能が働くのか集団で襲い掛かる。

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怪奇ショートショート1⃣ タッチ @azusa7245

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