第12話 友好?神族? なぞは解けた?
椅子に座って、少し待つ。
すると、周りに。同じような椅子に座った、おっさんたちが浮かび上がって来た。
リアルタイム3Dホログラムかな? すごいな。
「さて。神地行人くんと。飛田水希さんでよろしいかな?」
「ああ。それで間違っていない」
「我々は、君たちの調査班と言うことで、ここにいる。
そのため。各自の名前は、割愛させていただく。
調査の内容は、いかにしてこの大和王国に侵入したか? そして、どこから来たのか? それが主題です。
何か、ここまでで、質問はあるかね?」
「まず。勝手に領土内へ、侵入したのは悪いが。……空間が開いたところが、たまたま。あんたたちの領土だと、言っている場所だった。俺たちは、それを知らなかった。申し訳ない。謝るから、帰らせてくれ」
「謝罪と、理由は承知しました。が、もう少し。お付き合いしてください。 実は先ほど、防疫のため。お二人をスキャンさせていただきましたが。……魂の波長が、普通の生物とは、思えない物でした。特に神地くん。君は一体何者かな?」
「単なる、高校生だよ」
高校生で、通じるのか分からんが。
「君の魂は、……内包しているエネルギーが。2~3段階くらい高いのだよ。こちらの歴史に、幾度か現れる。天使とか、神とか。そういった方々に近い。そちらの飛田さんも、普通より1段階くらい高い。精霊と言われるものに近い……」
「我々は数年前から、変な空間干渉をとらえていてね。数時間で消えるため。場所を特定するのに手間取った。今日、その歪みをとらえて現場に行くと、君たちが立っていたというわけでね。非常に興味があるのですよ」
「それで。高位の魂を持っている。興味も尽きないと、思いませんか?」
「なんだ、解剖でもしようってか?」
「そんな、失礼な事は致しません。先ほど述べた通り。スキャンにより、あなたたちが、我々よりも高位の方々だと分かっています。天皇陛下からも、特別の待遇で遇しなさいと言付かっております」
「この待遇でか?……まあいいけど。ふむ、じゃあ。少し教えてくれ?」
「ここの、基本情報を教えてくれ。明かしていいレベルで、構わない」
「それでは。ここは先ほども言った通り。大和王国。この星で、一番大きな大陸のはずれに位置する。島国でございます」
「先ほど言った。天皇陛下は、神々に祈り。我が国を守り収める方となっております。歴史上の国難を、幾度も打ち破って。この国は発展を続けてきました」
「この星の、マップは出せるか?」
「マップですか? まあいいでしょう?」
空間に地球が浮かんでいる。
「地球だな……」
「うん。どう見ても、地球ね」
「この星の。……概算でいいから。誕生からの年数は、分かっているか?」
「45~46億年と、言われています」
「一緒だな。並行世界だったのか」
ああ、理解した。俺たちは。と言うか、俺は。並行世界を、扉を介して移動ができるようだ。たぶん。あそこの扉が開いた場所は、うちの家。玄関と同じ座標だろう。ということは、他のところも同じなのか。何かが起こり、今の状態になっているってことだな。
「どうしました?」
「ああいや。こっちで、勝手に納得していただけだ」
「それで、俺たちに何を望んでいるんだ?」
「特に何も。先ほどからのお話で、国外からではなく。別の世界から渡ってこられた方だと、分かりましたので。特別な国民証を、発行しておきましょう。これを付けていれば、再び訪れたときに。大騒ぎしなくてよくなります」
「……いいのか?」
「我々が、最初警戒していたのは。近隣国の、空間兵器の運用かと警戒したのですよ。この国の周りには、シールドが張られていて。物理攻撃は届かない。ですから、何か手を打つと。そう考えると、地下から来るか。空間をつないで、兵器や兵を送り込むと考えたのです。お話と、お預かりした荷物から、単なる旅行だろうと結論づけました。装備的にかなり古いのは、いろんなところに行く。文明に配慮かとは思いましたが、いくつか便利そうなものをお二人の亜空間収納にプレゼントとして、入れておきました。ご検収ください」
「出した瞬間。ウィルスがとか、高エネルギーが、とかはないよな?」
「先ほども申しました通り。この国は、神に頼って発展してきました。神族に近い方に。無礼は行いません」
「良いだろう。わかった。ありがとう」
「観光をされるなら、案内を行いますが?」
うーん。気が変わらんうちに、帰ろう。
「じゃあ。元の座標に送ってくれる。道すがらだけでいい」
「わかりました。手配いたしましょう」
おれたちは。無事に送り出された。
「結局。あの二人は、何者なんでしょうか?」
「最初に取り囲んだ時に、霧を纏い。消えようとしたそうですから。……基本は、水を司る。神か精霊と思います。ただ実体化している状況では、肉体は人間と同じ感じです。たぶん出せる出力が、5倍から10倍あると思います」
「ほう。それはすごい。ぜひサンプルを取りたいところだよな」
「過去に、それをやって。滅んだ大国があるでしょう?」
「ああ害のないドーピングとか言って、神族の因子を注射。ほとんどが、爆発して生き残った者は、魔物になった事件だな」
「魂の階位が上がらないと。きっとダメなんですよ。研究するなら、そちらが先です」
俺たちは、無事送られ。帰ることができた。
ただまあ。やり直すのはめんどくさいので。
水希といちゃつきながら、国民証の機能チェックと、中に入っている物品のチェックを行った。
しっかり、リュックも収められていた。
そして。有名なロボットが、腹のポケットから出すような。便利な道具も、入れられていた。
ただ。頭につけて飛ぶ。竹とんぼは無かった。
やはりあれは、物理的に無理があり。首が折れるからだろうか……?
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